「触れ合う子育て」を伝えたい。蛯原英里が語る、親子の心を繋ぐもの

「触れ合う子育て」を伝えたい。蛯原英里が語る、親子の心を繋ぐもの

2016年5月9日公開

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毎日のスキンシップで信頼関係を築いておくと、子どもは大きくなっても「守られている」安心感がある。
―今は、「触れない育児」というか、抱っこのしすぎは良くないといった考え方もありますよね。でも蛯原さんはそうではなく、どんどん触っていきましょう、と。

蛯原:そう思います。日本はもともと、おじいちゃんおばあちゃんが一緒に住んでいたり、兄弟がいたり、ご近所の方だったり、みんなで子どもを育てていたと思うんです。でも、今は核家族化が進み、日中はママと赤ちゃんだけ、パパが帰ってきても子どもは寝ていてあまり相手ができないという状態ですよね。西洋では自立を促すために夜別々に寝るという考え方もあると思いますが、それは普段からスキンシップが多いからできること。日本だと、ある程度の時期になったらスキンシップをしなくなるじゃないですか。だから、小さいうちにたくさん子どもに触れておくべきだと思うんですよね。

―たしかに、会話のコミュニケーションはとれていても、スキンシップは成長とともに減ってしまいます。さらに核家族だと、より人との繫がりがなくなるのかもしれません。

蛯原:今っていろいろな教育方法が氾濫していますけど、教育云々の前にまずは触れ合うことが先なんじゃないかなって。触れ合うことで親と子の間に信頼関係ができて、子どもの中に「何があってもパパとママが守ってくれる」という感覚が生まれれば、思春期を迎えて距離ができてしまっても、心の繫がりが持てるはず。マッサージという言葉が入っているので、触れる行為だけを受け止められがちですが、私はそういう「心の繫がり」の大切さも伝えたいんですよね。

―なるほど。ちなみに、子どもが2歳くらいになるとイヤイヤ期が始まりますよね。触れられるのを嫌がる子も出てくると思うのですが、そういうときのベビーマッサージはどうすればいいですか?

蛯原:嫌がったらやらない。それくらいの気持ちで大丈夫です。無理にやって「触られるの嫌い!」ってなっちゃったら元も子もないですから。基本的には、お子さんとママの気持ちがそろったときにやるのがいいし、さっき言ったように、肌と肌で触ってあげることだけが触れ合いじゃないですからね。心と心の触れ合いでもあるので、嫌がっているな、というときは「じゃあ次の機会でいいか」くらいの気持ちで。ベビーマッサージだけじゃなくて、例えば朝起きたときにハグをするとか、行ってらっしゃいのときにハイタッチするとか、背中をさするとか、それくらいでもいいと思います。

―蛯原さんが開催しているレッスンでは、パパ参加のレッスンが行われていますよね。ママより赤ちゃんと接し慣れていないパパがやるときの注意点は、何かありますか?

蛯原:パパの場合はやっぱり力を入れすぎないことが大切ですね。やる前に深呼吸をしてもらうとか、手をプラプラさせて力を抜いてもらうとか。あとは、恥ずかしがらないこと。赤ちゃんはママやパパの声が大好き。なので、レッスンのときには、参加者に「いつも以上に声を出してどんどん話しかけましょう」と言います。「触るよー」とか「ここは足だよー」とか「気持ちいいねぇ」とか、思ったことをどんどん声に出すことが大切なんです。
子どもだけじゃなくて、離れて暮らす両親ともハグすることで寂しさを感じなくなりました。
―蛯原さんのご主人もベビーマッサージを娘さんに行ったりするのですか?

蛯原:マッサージは主人も娘も大好きなので、夫婦でやっていますよ。子どもにとってはパパと触れ合う時間はスペシャルなものだと思うんです。自分のことを思い返してみても、私の父は九州男児で、何か悪いことをしたら兄妹みんな並ばされて怒られたみたいなこともありましたけど、逆にちょっとでも褒められたときはめちゃくちゃテンションが上がったのを今でも覚えていて。父親との時間は母親に比べるとどうしても短くなってしまうので、ちょっとしたことでも響くし、心の底にずっと残ります。

―働くパパたちは子どもと過ごす時間が限られているからこそ、触れ合っていられる時間を大切にしたいですね。

蛯原:そうなんですよ。触れ合いって、なにもベビーマッサージだけじゃないですし、赤ちゃんと親に限った話ではなくて。私の場合は、自分の両親とも、ことあるごとにハグをします。宮崎と東京で離れて暮らしているので、久しぶりに会ったときとか、遊びに行った帰りの飛行機の搭乗口でとか。最初はちょっと恥ずかしかったけど、だんだん慣れてきて、今はハグをしないほうが気持ち悪いし、親のほうからハグしに来てくれたりします。

―それによってご両親との関係がさらに深まったということもありますか?

蛯原:離れていても繋がっているという感覚は、以前にも増して強くなりましたね。とくに父とは、昔はもっと口数が少なくて、日中は働きに出ているし、土日も会えるか会えないかくらいで、私としてはちょっと寂しい思いをした時期もあって……。でも今は、そういう触れ合いがあるので離れていても大丈夫。もちろん最初からいきなりハグはしませんでしたけどね(笑)。軽いハイタッチとかから始めて、少しずつ触れ合う度合いを増やしていきました。

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