子どもの留学準備はOK? 子育て世代が知りたい次世代教育のホンネ

子どもの留学準備はOK? 子育て世代が知りたい次世代教育のホンネ

2017年7月28日公開

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経済の国境がなくなりつつある現在。各企業が求めるのは、外国語のスキルのみならず、世界的な視野を持ち、外国人とも対等に渡り合う能力を持つ、グローバルな人材。その第一歩として注目を集めているのが「海外留学」です。以前、「AI時代に必要とされる力の鍛え方」について、元リクールト出身の校長先生・藤原和博さんがインタビューで語っていたように、留学は子どもたちの「思考力」や「表現力」を伸ばす貴重な機会。

文部科学省でも「トビタテ!留学JAPAN」というプログラムを開始し、現在、海外の大学などの高等教育機関で学んでいる留学者数は年間約6万人。その数を2020年までに倍増させるための後押しをしています。にも関わらず、統計を見てみると留学者数は年々減少するばかり……。

そこで今回、クレディセゾンは、世界各国のATMで現地通貨が引き出せるプリペイドカード「NEOMONEY(ネオ・マネー )」を発行する企業として、シリーズ第1回は東京インターナショナルスクール理事長の坪谷ニュウエル郁子さんインタビューをお届けしました。第2回となる今回は、「あらためて知りたい留学の意義」について、日本最大級の留学エージェントである株式会社留学ジャーナル代表取締役副社長・加藤ゆかりさんに取材いたしました。語学力の向上だけではない、留学の「現実」に迫ります。

取材・文:萩原雄太 撮影:田中一人
プロフィール

加藤ゆかり(かとう ゆかり)
株式会社留学ジャーナル 代表取締役副社長。名古屋支店で留学カウンセリング、手配業務、ツアー企画などを行い、多くの留学生支援に携わる。その後、本社マーケティング部を経て、現在に至る。留学ジャーナル別冊『海外の大学・大学院留学完全ガイド』プロデューサーのほか、JAOS海外留学協議会 副理事長。留学・語学研修等協議会 副会長も務める。
http://www.ryugaku.co.jp/
「もっと早く渡航していれば」。留学を経験した親たちが、わが子に早期留学をすすめている
—かつて「留学」といえば大学生というイメージでしたが、近年では、中高生の留学や小学生の親子が海外で一緒に勉強する「親子留学」なども増えています。このような「早期留学」が目立ってきたのはいつごろからでしょうか?

加藤:10年ほど前から増えている印象ですね。その背景には、1980~90年代にかけて、留学を経験した人が親世代になったことが挙げられます。自身の留学経験を踏まえて「もっと早く渡航していれば、より充実した留学生活を送れたはず」という気持ちを持つ人も少なくありません。そこで、自分の子どもたちには、早いうちに海外留学を経験させたいと思っているようです。

—親から子へと留学文化が受け継がれているんですね。では、早い時期に留学を経験するメリットとは?

加藤:子どもの時期は、まだ考え方が凝り固まっていません。そんな時期に海外留学を経験し、いろいろな肌の人や、言葉が違う人たちのなかに入ることで、それまでとは違った考え方を自然に身につけられるようになります。固定観念を解きほぐし、何事に対しても好奇心が持てるようになるんです。

—一方、大人になると、どうして柔軟性が損なわれてしまうのでしょうか?

加藤:若いうちは、「間違っても恥ずかしくない」と怖いもの知らずにいられるからでしょうね。大人になればなるほど「失敗したくない」「恥をかきたくない」と思ってしまい、外国語を学ぶのでも、積極的に話しづらくなってしまうのです。
キャリア教育を受けた海外の高校生とふれ合うことは、将来を考えるきっかけになる
—具体的には、何歳ごろに海外留学を経験するのがおすすめでしょうか?

加藤:個人的には、中学・高校における留学がもっと増えてほしいと思っています。というのも、日本の高校生は、大学に入る前に自分が将来どんな仕事をするのか、どんな仕事をしたいのかを考える機会がほとんどありません。そのため、親や周囲の人など身近なところから、漠然と自分の将来を思い描くしかありません。

でも、キャリア教育が熱心なアメリカ、カナダなどでは、高校生であっても社会に目を向け、将来の目標が明確なことは珍しくありません。そんな環境で学んできた海外の高校生と話しをすることによって、偏差値やブランドで大学を選ぶのではなく、将来を見据えての進路選びができると思います。

—留学によって、より具体的に自分の将来に目を向けることができるようになる。

加藤:もちろん、海外の高校生の全員が明確な目標を持っているわけではありません。しかし、海外の授業スタイルは「答え」ではなく「考える」ことを重視しています。そのような環境にふれることで、社会的な問題に対しても「なぜこうなっているんだろう?」と、考えられるようになるんです。

—日本では、そのような「問い」を持つための教育はなかなか浸透しませんね。

加藤:子どものころから考える癖を持たなければ、会社に入って、上司の指示がおかしいと感じてもそのまま従ってしまいますよね。そんな状況に対して危機感を感じているのは企業も同じ。だからこそ、グローバル教育を社員に向けて行っているんです。

「勉強した先に何があるのか」という疑問から、留学を決意する高校生が多い
—具体的な留学先として、人気の地域はどこでしょうか?

加藤:全体的には、圧倒的に受け皿が大きいアメリカが人気となっています。ほかには治安がよく、「安心して行ける」という理由からカナダを選ぶ人も多いですね。カナダの場合、現地の公立高校に入れるので学費が抑えられるメリットがあり、人気が高くなっています。アメリカの場合、交換留学でなければ公立高校へ通うことが難しく、学費も高くなってしまいがち。また、オーストラリア、ニュージーランドは2月から新年度が始まるので、欧米諸国と比較して日本に近い学期制になっているのも留学しやすいポイントです。

—ところで、留学を希望する日本の高校生は、どれくらいのモチベーションを持っているのでしょうか?

加藤:当社を利用して留学をする高校生の場合、親から言われてしぶしぶというよりも、自ら手を挙げて行く人が多いですね。具体的なモチベーションの内容は人によって変わりますが、傾向としては「勉強を頑張った先にいったい何があるのか……」と、将来に対する疑問から留学を考える人が多いように感じます。

ただ、「将来この仕事をしたい」という明確な目標のもとに海外留学を希望する高校生はまだ多くありません。海外に出ることで、あらためて「将来の目標を見つけたい」「自分の価値観を広げたい」と考えているのだと思います。

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