ミニマリスト・尾崎友吏子の買いもの術① 持つべきものの見極め方

ミニマリスト・尾崎友吏子の買いもの術① 持つべきものの見極め方

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仕事や子育てに忙しく、つい安さのあまりものをたくさん買ってしまう……。けれど、それって本当に必要なもの? 男の子3人を育てるワーママ・ミニマリストの尾崎友吏子さんに、「本当に大切なものだけで豊かに暮らすお買いもの術」を教えてもらいました。

第1回目は断捨離・整理整頓に悩む方のヒントにすべく、大切なものだけに囲まれた暮らしをするようになって尾崎さんに起きた変化、そして自分自身にとって価値のある「持つべきものの見極め方」についてお話いただきました。
「整理」とは、不要なものを手放し、必要なものだけ残すこと
20年前、2DKの小さな団地からスタートした私たち家族の生活。子どもが生まれ、ものが増えるにつれ、「出世すごろく」のように大きな家に移り住んでいきました。もともとシンプルな生活を心がけていたにもかかわらず、3人目の子が生まれた後にはものがさらに増え、家は大きくなったのに手狭に感じていました。その頃、家のものを整理するヒントになればと、整理収納アドバイザーの資格をとりました。

整理収納アドバイザーの講座で学んだのが、まず「整理」することが大切、ということ。「整理」の定義の一つとして、『広辞苑』にはこう書かれています。「無駄なもの、不要なものを処分すること」。つまり、右にあるものを左に動かしても、ばらばらに散らばったものを一箇所に集めても「整理」とはいわないのです。「整理」とは、「不要なものを手放すこと」。つまり、「必要なものだけ残すこと」だったのです。

「片付け」「整理」「収納」「掃除」「整頓」。どれも、家を美しい状態にする言葉です。このうち、まずはじめに「不要なものを手放す=整理」をしないと、うまくいきません。多くのものがある状態では、収納や整頓をするのに技術や時間が必要になるからです。

不要なものを手放すことから始まった、私のシンプルな生活。昨今、最低限必要なものしか持たない「ミニマリスト」がブームですが、シンプルを心がけていた私の暮らしも、気がつけばミニマリストの部類に入っていました。

持たないメリットと、持ちすぎるデメリット
ものがたくさんあったときには手狭に感じていたマンションも、ものを少なくしたら不要になり、昨年、前よりも小さな家へ引っ越しました。いまは、本当に必要なものだけで暮らしています。

小さな家で必需品だけと暮らすうちに、いままでの「持ちすぎる生活」に多くのデメリットがあったことがわかりました。

いままでの生活では、「安い」「素敵」という動機だけで買ったものや、「これから使うかも」「高かったから」「まだ使えるだろう」という理由で捨てられないものが数多くあり、同じ機能のものを複数持っていることもありました。

かつての私が特にムダに多く持っていたのは、自分の服。服がたくさんあったときには、毎日何を着ていくかが悩みでした。そして、たくさん持っているはずなのに、「いざというときに着ていく服がない」と感じていました。持っている服を把握できず、同じような服を何着も買ってしまっていたことも。ワンシーズン前の服は、クローゼットの奥に押しやられ、いざ「あれが着たい」と思っても、探し出すのに一苦労。衣替えの季節のクリーニング代もバカになりませんでした。

「持ちすぎる生活」をやめた現在は、家にガラクタはなく、すべてものが生活の必需品で、日々のなかで活躍するものばかり。ものを持ちすぎることのデメリットを考えると、安易にものを買ったりすることはなくなりました。

小さな家での暮らしになってから、こんなメリットを実感しています。

・ものが少ないぶん、部屋が相対的に広く使える
・片付けが簡単になり、掃除が格段に楽になる
・必要なものが手近にあるので、家事の効率が上がる
・買いものの失敗が減り、浪費をしなくなる
・買いものに費やしていた時間や、買うためのお金を稼ぐ時間、部屋にあるたくさんのものの中から使いたいものを探す時間を、もっと大切なことに使える
・「ものが少なくてもなんとかなる」と楽観的になれる
・「将来大きな出費があるんじゃないか」と心配しなくなる

「わたし」にとって価値のある、「持つべきもの」の見極め方
自分の人生にとって大切なものとはなんでしょうか。「家族」「健康」「時間」「毎日が楽しいこと」「充実した人間関係」「自由」……。

本当に持つべきものとは、「自分の人生にとって大切だと思うこと」に対してメリットがあるもの。それらは暮らしを豊かにし、「人生にとって大切なこと」の価値をあげてくれます。ただ、持っているものの数が多ければ、暮らしを豊かにしてくれるわけではないのです。

見極め方は簡単。以下の場合は、持つべきものです。

・「持つことのデメリット」よりも「持つことのメリット」が大きいもの

持つことのメリットは、メディアや広告などで嫌というほど知らされています。「商品を買ってほしい」とアピールするメディアや広告では、「持つメリット」しか提示しないからです。一方、私たちは、持つことにデメリットがあるということを、家でも学校でも教えられてきませんでした。メディアや広告での紹介は参考程度にとどめ、持つことのデメリットにも目を向けてみたら、新しい発見があるかと思います。

・「わたし」が大切なもの

必要なものは人によって違うので、自分の軸を持って必要なものを選びます。例えば、使っていて快適だと感じる感覚は人によって異なります。形や色などのデザインの美しさだけでなく、素材や重さ、サイズが自分にとって良いバランスなのかという点にも気をつけます。

また、そのものを使うことで自分は幸福や豊かさを感じるのか、自分の暮らしにどのような影響があるのかを想像してみます。それを持つことで、暮らしが豊かになると確信したものだけ持つように心がけます。

誰かが持っている、素敵そうだったり便利そうだったりする何かは、必ずしも「わたし」には必要ではありません。みんなと同じように消費していると、本当に自分にとって必要かどうかもわからなくなります。「高いもの=良いもの」かもしれないけれど、「世間で良いと考えられているもの=わたしにとって良いもの」とは限らないのです。

・「いま」必要なもの

過去に必要だったもの、未来に必要かもしれないもの。これらも、「いま」使わないなら不要です。いま必要なものだけを選ぶことによって、過去からも、未来の不安からも自由になれ、「いま」を楽しむことができます。

暮らしを豊かにしてくれる、大切なものを並べたお気に入りのコーナー
「いまのわたしに必要な適量」の道具選びは楽しい!
いま不要なものは持たない。必要なものは、少なく、小さく持つ。

「いまのわたしに必要な適量」を知れば、それ以上にものを持つことは無意味です。不必要にありすぎるものは、メンテナンスにお金や時間がかかりすぎて、ほかに大切にすべきだったものを後回しにすらしかねません。底なしの欲望は、永遠に満たされません。

例えば、ボールペン。わが家の場合、複数本のボールペンがありました。でも、気に入って愛用していたのは2、3本程度で、そのほかのボールペンは、書き心地がイマイチだったり、粗品でもらってデザインが好みでなかったり。お気に入りは100%活用され、もう一方はまったく活用されていないガラクタでした。

お気に入りの2、3本だけを残し、ほかは手放してしまっても、何も困ることはありませんでした。お気に入りは、数は最小限でも、何度も活用されることで最大限にその機能を果たすからです。

選び抜かれたお気に入りのボールペン3本
買うものを考える時間は、自分自身と向き合う時間
自分のニーズにフィットした、不要なものがない暮らし。ないものに目を向けるのではなく、あるもので十分だと思える暮らしは、欠乏感がないから、心が満たされます。

ミニマリストというと、ものを敵のように扱う人のイメージがあるかもしれませんが、愛着のある持ちものは、むろん敵などではなく、自分の相棒として、生活をサポートしてくれます。むしろ、選りすぐりのアイテムだからこそ、最大限のパフォーマンスを発揮してくれます。そして、好みやライフスタイルが変わると個人のニーズも変化するから、その変化に応じた買いものをすることも、楽しみになるのです。

何が必要か? どんな暮らしがしたいか? 買うものを考える時間は、自分自身と向き合う時間でもあるのです。

次回は、数が増えてしまいがちな衣類の選び方・お買いもの術についてお話します。
プロフィール

尾崎友吏子(おざき ゆりこ)
夫と高校生、小学生2人の男子3人、5人家族のワーキングマザー。二級建築士、整理収納アドバイザー1級。モノもコトもミニマムにした、自然に優しいシンプルな「小さな暮らし」の生活を伝えるブログ「cozy-nest 小さく整う暮らし」を2012年7月から運営。2016年、『3人子持ち 働く母の モノを減らして 家事や家計をラクにする方法』(KADOKAWA)を出版。
http://www.cozy-nest.net/

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