育休中に「仕事スイッチ」を押してみる。復職前に子連れで「ママボノ」に参加してみた

育休中に「仕事スイッチ」を押してみる。復職前に子連れで「ママボノ」に参加してみた

認定NPO法人サービスグラント「ママボノ」2016

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文:山邉まり子(CHIENOWA)
いよいよ育休から職場復帰! 「仕事こなせるかな」と不安は尽きない……
育休から復職するにあたって、「久しぶりの仕事をちゃんとこなせるだろうか……」「育児と仕事は両立できるだろうか……」と不安を感じる人も多いかと思います。私は2016年1月に第二子を出産し、現在育休中でこの春に復職予定です。第一子の育休期間はひたすら子育て中心で過ごしていたこともあって、不安を抱えたまま浦島太郎状態を覚悟して職場復帰。

時短勤務をしながら、「もっとレベルアップしないといけない」と感じつつ働いていたなかで、第二子を妊娠。出産のため再度育休を取得しました。第一子の育休の際に「何かしておけばよかった」と後悔していたこともあり、今回は子育てだけで終わらせずに過ごすと決めました。

たとえば「マドレボニータ」に参加して産後の心と体のケアに取り組んだり、「育休プチMBA勉強会」でマネジメント思考を学んだりしたのですが、そのなかで出会ったのが認定NPO法人サービスグラント主催の「ママボノ」でした。

今回は育休中に参加した「ママボノ」の体験談をレポートします。

参加した「ママボノ」東京会場の様子。ママと赤ちゃんたちの熱気が溢れていました!
「ママボノ」とは? 育休ママがNPO支援をしながら、復職へのウォーミングアップを行えるプログラム
「ママボノ」は「ママたちによるプロボノ(専門家がスキルや経験をボランティアとして提供し社会貢献する活動のこと)」を意味します。仕事復帰を目指す子育てママたちが、復職準備を兼ねて、NPO団体が行なう社会貢献活動に参加する場として注目を浴びています。

私自身も、ウェブサイトに記載されていた「復職前に子連れで『仕事モード』が体験できる」という言葉を見て、
・復職前にウォーミングアップを少しでもしておきたい
・子育てを通して関わりが深くなった地域や社会に何か貢献したい
・児童館や会社では出会わないような仲間に出会えるかもしれない
という思いから参加してみることにしました。

ママボノ事務局の樫尾直美さんによると、ママボノは今年で4年目を迎え、これまで東京と大阪を合わせて100名以上のママが参加しているそうです。そのほとんどが復職を目指している育休中のママたち。ここでは社会貢献を通して復職準備を行えるだけでなく、さまざまなバックグラウンドの仲間と知り合うこともできます。

またママボノへの支援を希望するNPO側は、過去に、NPO法人ファザーリング・ジャパン(「笑っている父親」を増やし、将来の日本社会に大きな変革をもたらすというミッションを持つ団体)などが参加しています。NPOとしても、育児環境の改善などの課題に取り組むうえで、ママ視点でのフィードバックを得ることができるという利点があります。

「ママボノ」を運営するサービスグラントの樫尾直美さん(右)は、2014年の「ママボノ」参加者でもあります。事務局として参加者目線も持ちながらサポートしてくれました
78人ものママたちが集まって12のプロジェクトがスタート!
今回私が参加したママボノは2016年10月下旬から12月上旬の約2か月間に渡って開催されたもので、78名のママたちがチームに分かれて参加しました。

NPO側からママボノに依頼されたプロジェクトは全部で12。その内容は、チラシの制作やマーケティング基礎調査、アンケート項目の設計、ウェブサイトの改善などさまざまでした。プロジェクトごとにチームが組まれるのですが、事前に登録しておいた過去の仕事経験などをもとに事務局によって編成されます。

私はNPO法人石巻復興支援ネットワーク「やっぺす」のプロジェクトに参加。仕事内容は「やっぺす」が女性支援として行っているカナダ式親育てプログラム「NP(ノーバディーズパーフェクト)」の講習会のアンケート設計・作成を支援すること。(詳細はサービスグラントのウェブサイトでも紹介されています。)

「NP講習会」は、子育てで悩んでいるお母さんたちに寄り添い、自分たちで悩みを解決できるように支援するプログラムです。この課題解決の目的は、NP講習会を行政の事業として推進してもらえるよう働きかけること。そのためには、参加者や地域に与えた効果を明確にする必要があり、このプロジェクトではそれに向けたアンケート項目の設計を行いました。

ママボノ活動は、NPOの課題をヒアリングした後、その課題をメンバー間で分担して整理し、議論を重ねて解決していきます。最後は各チームが一堂に会し、成果発表会を行って終了です。ゴールである成果発表会に向けて、チーム一丸となって成果物を仕上げていくのがプロジェクトの大まかな流れです。

赤ちゃんをあやしながらチームメンバーと初顔合わせ
まずは6名のチームメンバーとそれぞれの赤ちゃんたちの顔合わせをして活動がスタート。さっそく、オリエンテーション、チーム内でのミーティングが行われます。

メンバーは業種も職種(メーカー営業、SE、人事、学校の先生)もさまざま! 事前にメーリングリスト上で自己紹介はしていたものの、初対面で少し緊張……。でもミーティングがはじまると子どもの世話をしつつも「仕事モード」のスイッチが入り、あっという間に時間が過ぎました。会場には赤ちゃん用のマットがあるだけでなく託児スタッフもいてくださり、赤ちゃん連れでも安心して参加できる環境になっていました。
初めての参加者でも安心して参加できるサポート体制
ママボノは、私のような初めての参加者でも安心して参加できるような工夫がされていました。たとえばプロジェクトは2か月という期間限定で、活動時間は一週間で5〜10時間が目安。子どものお昼寝タイムや就寝後にSkypeミーティングをしたり、自宅に集合するときも交代で子守をしながら時間を捻出していました。ついつい夢中になってオーバーワークになりそうになると、事務局から見計らったようなタイミングで「やり過ぎていませんか?」というフォローが来るなど、生活とのバランスを保てるような配慮もありました。

メンバーの自宅で作業。Skypeヒアリング班と子守班に分かれて。大人は会議、子どもも会議?(笑)
チームリーダーも事前に立候補で決まっており、私たちのチームリーダーは本業の仕事でアンケート設計をしているという頼もしい方でした。さらにはプロジェクトの進め方に迷ったら確認できる冊子「進行ガイド」が、事務局であるサービスグラントから配布されているので、スムーズに活動することができました。

また一人ではなくチームで活動するので、何かあってもお互いにフォローし合うことができることもメリット。私たちは資料作成やヒアリングもペアで行うなど、誰か一人が欠けても問題ないようにチーム内で工夫をしていました。子どもが熱を出して外出できなくなることもありましたが、Skypeで家から参加することで、継続して議論に参加することができました。仕事に復帰した後も起こり得る状況であり、良いシミュレーションになったと思います。

ママボノのゴールである成果発表会で、石巻復興支援ネットワーク「やっぺす」のみなさん(Skype越し)とチームメンバーと。支援内容に喜んでくださり感謝の言葉をいただきました
参加後アンケートで96%のママが「ママボノを勧めたい!」と回答
サービスグラントが実施した2016年度のママボノ参加者向けアンケートによると、ママボノ開始前に比べて、復職への不安が解消された人が72%いたそう。逆に14%の人が「不安になった」と回答していますが、その理由の多くは、仕事をしながら子育て・家事をするイメージが湧いたことで、大変さをあらためて認識したというものでした。

私自身、育児ばかり考えていたなかで、久々にパソコンでWordやExcelを立ち上げたりメンバーと議論したりと、育休中に仕事モードを取り入れたことで頭の使い方を切り替えることができ、復職後の生活をより前向きに捉えられるようになりました。

ママボノ期間中はチームメンバーとはほぼ毎日SNSなどでコミュニケーションを行い、何度も会ってプロジェクトを進めていたので、2か月前に出会ったとは思えないような深い関係が築けたと感じています。普段の仕事では関わらないメンバーの仕事の仕方は、メールの言い回し一つをとっても勉強になりました。この春に復職するメンバーが多いため、その前に子連れでの石巻ツアーも検討しています。

プロジェクト終了時、お互いへのメッセージを付箋に書き合いました
アンケートによると96%(!)もの参加者がママボノをほかの人に勧めたいと回答しています。私は応募当初、「自分のスキルで大丈夫かな?」と不安になりギリギリまで参加を迷いましたが、参加してみて本当に良かったと感じています。

成果発表会ではほかのチームの活動の様子も知ることができ、世の中にあるさまざまな社会問題やNPOの活動に触れることで視野が広がりました。学生時代の文化祭のように打ち込むことができ、活動が終わったいまは「ママボノロス」になっています(笑)。子連れでいろいろ制約があるなかでも、誰かの役に立てること、チームで一つのことを成し遂げることで達成感を得られました。

また、自分で抱え込んで「仕事をこなす」スタイルではなく、チームで課題や疑問を共有して「プロジェクトを進めていく」スタイルが、復職後は特に大事になると実感しました。育児で忙しくてそれどころではないと思っていても、意外とやってみたらできるものです。

育休は長いようであっという間です。これだけ堂々とお休みをいただける機会もないので、赤ちゃんとゆったりした時間を過ごすのももちろんいいですが、何か一つでも新しいことにチャレンジしてみると、世界が広がって自分自身の成長につながるかもしれません。
プロフィール

山邉 まり子(やまべ まりこ)
クレディセゾン(育休中)。4歳と1歳の女の子のママ。
認定NPO法人サービスグラント
サービスグラントは、自身のビジネススキルや専門知識を活かしたプロボノによる「プロジェクト型助成」を通し、社会的課題解決に取り組む非営利組織(NPO・地域活動団体など)の基盤強化を支援しています。社外のビジネスパーソンと一緒にプロジェクトを推進することで、スキルアップに役立つほか、ネットワーキングにもつながるため、ビジネスマンにかぎらず育休ママからも注目を集めています。
http://www.servicegrant.or.jp/

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