産休を申請したら退職をすすめられた。退職勧奨で勝ち取るべき権利とは?

産休を申請したら退職をすすめられた。退職勧奨で勝ち取るべき権利とは?

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子どもを授かり会社に産休の相談をしたところ、暗に退職をすすめてきたの……。これって、俗にいう「マタハラ(マタニティ・ハラスメント)」だよね?「こんな会社、私のほうから辞めてやる!」といいたいところだけど、どうせ退職勧奨を受け入れるなら勝ち取れる権利は確保したい。

昔に比べて、産休・育休制度など女性にとって働きやすい環境が整備されてきている一方で、まだまだこういった会社も多くありますよね。そこで今回は、退職勧奨を受けた場合に取るべき対応について考えてみたいと思います。

■そもそも退職勧奨って違法じゃないの?解雇と何が違うの?

日本では、従業員を解雇することが非常に難しいといわれています。そんな日本において、退職勧奨すること自体は法律的に問題ないのでしょうか?

実は、退職勧奨そのものは違法ではありません。退職勧奨の意味を考えれば、納得できるかと思います。退職勧奨とは、「(できれば)会社を辞めてくれませんか?」というお願いに近い意味合いなので、解雇とは異なりますよね。ただし、退職勧奨を執拗に繰り返したり、脅迫するようなやり方で勧奨を行う場合は、違法行為となるようです。この場合は、「退職勧奨」ではなく、「退職強要」になるということですね。実際に、退職強要による精神的苦痛に対して、損害賠償請求をしているケースも存在しています。

なお、退職勧奨を断ったら、どのみち解雇されるのでは?と心配になりますよね。この点に関しては、それほど心配いらないかと思います。前述のとおり、日本では労働者の権利が強く、会社が自由に従業員(労働者)を解雇することはできません。仮に、労働者を解雇する場合には、「客観的合理的理由」と「社会的相当性」が必要となります。このあたりの解釈については弁護士業務となり、FPとしては業務範囲外のため詳しいことはいえませんが、退職勧奨を拒絶したからといって解雇されるということはあまり心配しなくて良いということだけはお伝えしたいと思います。特に、妊娠や出産を理由に解雇されるなどというのは、決して許されることではありませんのでご安心ください。よって、もしも退職強要や不当な解雇をされた場合には、お勤め先の組合や労働相談情報センターなどに問い合わせするようにしましょう!

■退職勧奨を受け入れる場合に考えておくべきこととは?

状況次第では、退職勧奨を受け入れても良いかもと思う方もいるでしょう。そんな方のために、ここでは退職勧奨を受け入れる場合に考えておくべきことをお伝えします。

退職には、「自己都合退職」と「会社都合退職」の2種類が存在します。従業員自身の「一身上の都合」による退職である自己都合退職と比較すると、業績不振などの「会社上の都合」で従業員に辞めてもらう会社都合退職は、退職金などを考えると有利になることが一般的です。従業員が退職勧奨を受け入れて退職した場合には、自己都合ではなく会社都合による退職となります。そのため、退職勧奨を受け入れる場合は、通常の退職金より有利な割増退職金の給付などが期待できます。もし、退職勧奨を受けた場合は、この優遇条件を確認することが重要です。また、この優遇条件も交渉次第で上下することも珍しくないようですので、弁護士に相談するなどして、なるべく有利な条件を引き出せるようにしましょう。

■会社を辞めたくない!こんな私はどうしたらいいの?

それでは、出産を理由に退職勧奨をされたけど退職したくない場合、どうすれば良いのでしょうか?

答えは、「退職をする必要はない!」です。前述のとおり、退職勧奨に応じる必要はありませんし、出産を理由にした解雇は明白な違反事項です。

また、こういった法的な観点だけでなく、FPとして経済的な面からもコメントしたいと思います。仮に、妊娠・出産直後の段階で、新しい会社に入社することを考えてみましょう。これから「休みがち」になることが予想される人を、企業が積極的に採用するでしょうか?率直にいって難しいかと思います。とはいえ、ある程度子どもが大きくなってから再就職しようと思うと、ブランクがある状態ですよね。そのため、看護師などの特殊な資格を持つ職業の場合は別ですが、通常のデスクワークではやはり厳しいかと思います。

現在正社員の方は、仮に再就職できたとしても、パートや派遣社員といった非正規雇用になってしまう恐れもあります。この場合、年収はダウンすることが容易に想像つくでしょう。もし現在、年収400万円の正社員の方が、30歳で出産を理由に退職し、40歳でパートとして月収20万円で再就職したとします。ずっと正社員だった場合は、400万円×30年間(30歳~60歳)⇒1億2,000万円。40歳から月収20万円の場合は、20万円×12ヵ月×20年間(40歳~60歳)⇒4,800万円です。その差額はなんと、約7,000万円!当然、毎月の給料だけでなく、退職金や将来受け取れる厚生年金の金額にも差が出るでしょうから、長い目でみると1億円近い収入ダウンを意味する可能性があるということになります。こういった観点からも、出産を理由に退職勧奨を受け入れる必要はありませんよね。

マタハラ(マタニティ・ハラスメント)なんて言葉があるように、妊娠・出産する女性社員に対して、やんわりと退職勧奨をしたり、嫌がらせに近いことをして自主退職に追い込むことがあるようです。それでも、昔に比べて働く女性への理解やフォローは確実に増えています。何かあった時は弁護士さんなどにも相談して、ご自身のキャリアプランを守ってくださいね!

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