「子どもの夢中」を親も楽しむ。恐竜くんが6歳からの夢を叶えられたワケ

「子どもの夢中」を親も楽しむ。恐竜くんが6歳からの夢を叶えられたワケ

2017年12月8日公開

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子どもが夢中になる恐竜、昆虫、動物、車、電車、飛行機……。大人には「なにがそんなにおもしろいの?」と思えるものでも、子どもの好奇心は止まることを知りません。全国で開催される『恐竜展』の企画・監修のほか、執筆やイラスト制作など、恐竜のおもしろさを子どもたちにわかりやすく伝えるため幅広く活動している「恐竜くん」も、幼いころから恐竜に熱中していた一人です。

その情熱を持ち続け、カナダで恐竜学者になりたいと、高校生で留学。恐竜の研究が盛んなアルバータ大学で古生物学を学び、科学の普及・教育活動に務める「サイエンスコミュニケーター」の道へと進みます。ご両親はそんな恐竜くんを幼少期からバックアップし、家族みんなで恐竜を楽しむ環境を整えてくれたといいます。夢中なものを見つけた子どもに、親ができることとはなにか? お話をうかがいました。

取材・文:山本ぽてと 撮影:有坂政晴(STUH)
プロフィール

恐竜くん(きょうりゅうくん)
幼少期に恐竜に魅せられ、高校時代にカナダへ留学。恐竜研究が盛んなアルバータ大学で古生物学を中心にサイエンスを学ぶ(2008年理学部卒業)。その後、活動を日本に移し、「恐竜くん」として活動中。全国でトークショーや体験教室を開催するほか、恐竜展の企画・監修、執筆・解説など幅広く活躍している。楽しさとわかりやすさを第一にした「恐竜トーク」と得意の「イラスト」を駆使し、子どもや大人たちに恐竜や古生物学のおもしろさを伝えている。
http://boropin.blog.shinobi.jp/
父親は6歳のぼくに大人向けの恐竜専門書を買ってくるような人。子ども扱いしない親でした
—科学を主体的に考えて行動するきっかけを提供し、科学と社会をつなげる「サイエンスコミュニケーター」として活躍中の恐竜くんですが、小さいころはどんなお子さんでしたか。

恐竜くん:生き物が好きな子どもでしたね。バッタを追いかけ、アリの巣を見つめているタイプでした。いまから思うと、周りの子と少しずれていたかもしれません。みんなが前日に見たテレビの話をしているときに、ぼくは前日に見た大きなバッタのことを考えていました。

それに、普通の子なら小学生とかで自転車に乗るようになりますよね? ぼくの場合、自転車に乗れるようになったのは高校生のときでした。自転車がなぜ倒れずに走り続けられるのか、子ども心に納得できなかったので、周りがどんなに自転車に乗ろうとも絶対に乗らない。「わが道を行く」と言えば聞こえはいいんですけど(笑)。

恐竜くん
—恐竜に出会ったきっかけを教えてください。

恐竜くん:ぼくが恐竜を好きになったのは、6歳のとき。母と姉と行った東京上野にある国立科学博物館がきっかけです。当時の国立科学博物館は、エントランスに恐竜の全身骨格を展示していて、それを目にした瞬間の衝撃をいまでも覚えています。

それはタルボサウルスというアジアに生息していた恐竜の化石で、高さが5メートルほどありました。いままで見た生き物と全然大きさが違いましたし、骨だけの姿がすごくきれいだった。まさに、一目ぼれでしたね。そこからいまにいたるまでずっと恐竜が好きです。

—そんな恐竜くんに対して、ご両親はどのように接していたのですか。

恐竜くん:両親は、ぼくが恐竜を好きになってから、恐竜図鑑を買ってくれるなど、全面的にバックアップしてくれました。反対に、日常生活で特に「○○しなさい」「○○するな」と言われた記憶はないですね。

夏休みの家族旅行では、北海道や福井など全国各地の博物館に連れて行ってくれて、家族みんなで恐竜を楽しんでいました。当時はインターネットがなかったので、すごく大変だったと思うのですが、母が全国の博物館を調べ上げて「恐竜の化石はありますか?」と一つひとつに電話をかけていたようです。

父は子どもを子ども扱いしない親でした。一人の人間として接することが父のポリシーだったようです。子ども向けにしゃべるなんてことはしませんでした。よく恐竜の本を買ってきてくれたんですが、それも絵本や子ども用の図鑑ではなく、本格的な専門書しか買ってこない。子ども心に、変わった人だなぁと思っていました(笑)。

あと、父はドキュメンタリー番組など、いろいろなテレビ番組を録画する趣味があったので、恐竜の番組を調べて、片っ端から録ってくれました。

小学生のときに父親からプレゼントされた『スーパー・イラスト版 恐竜—地球環境からみた恐竜の進化と絶滅の物語』は、いまも手もとにある
ハイテンションで恐竜の話をする学者の姿を見て、「世界一楽しい仕事だ」と思ったんです
—ご両親が協力的だったのですね。恐竜の道に進もうと思ったきっかけはあるのでしょうか?

恐竜くん:1990年、小学校2年生のとき、幕張メッセで『大恐竜博』が始まったのですが、そこにカナダ・アルバータ州の恐竜の化石が来ていました。「『大恐竜博』をゆっくり見たい」と母に言うと、混んでいる夏休みシーズンを避けて、普段の日に見に行けるよう、担任の先生に休みの相談をかけあってくれました。

父は『大恐竜博』に関連したテレビ番組をたくさん録画してくれました。その1つに、現役の恐竜学者の人生を掘り下げていくようなドキュメンタリーがあったんです。そこで取り上げられていたロバート・T・バッカー博士が、とてもハイテンションでうれしそうに恐竜の話をしていた。恐竜を仕事にする人がいたことを知ると同時に、世界一楽しそうな仕事だなと思いました。そのときに、「アルバータ州に行って恐竜博士になろう」と決めたんです。

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