《取材後記》デフバレー女子日本代表・狩野美雪監督×クレディセゾン手話サークル

《取材後記》デフバレー女子日本代表・狩野美雪監督×クレディセゾン手話サークル

2018年1月16日公開

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2017年12月28日、SAISON CHIENOWAにて「健常者が『普通』とは限らない。デフリンピック金メダル監督と考える多様性」というインタビュー記事を公開しました。本インタビューを企画したのは、クレディセゾン神奈川支社の小林哲平。小林は聴覚障害を持ちながら、デフスポーツの陸上選手でもあります。

「デフリンピックの認知度をもっと上げたい!」という想いから始まったこの企画。取材には神奈川支社の手話サークルメンバーも同席し、取材後に監督を囲んでランチケーションを行いました♪ 「聴覚障害者と健常者のコミュニケーション」について、インタビューから得た気づきとそのときの様子を、小林の同僚であり同じく聴覚障害を持つ河村がレポートいたします。

文:河村 友紀(CHIENOWA)
「普通」とは何か、「ダイバーシティ」とは何か
私は生まれたときから聴覚障害を持っており、クレディセゾンに入社して8年になります。

クレディセゾン神奈川支社には、社内の誰もが参加できる企画コンペ「KAZUC(カズック)」という独自の仕組みがあります。そこで、小林さんを中心に、「日本でデフリンピックの認知度をもっと上げるために、クレディセゾンが貢献できることはないか?」という問題提起があり、「デフリンピックプロジェクト」が誕生しました。さらに、聴覚障害を持つ小林さんや私をサポートしてくれる温かい同僚や先輩たちが中心となって手話サークルが設立され、有志約30名で楽しく手話を学んでいます。すべてのお客様に対応することができるセゾンカウンターを目指して、手話で接客ができるようになることを目的としている活動です。

今回、小林さんが企画したデフ女子バレー日本代表・狩野監督へのインタビューのなかで、私もいろいろなお話をうかがうことができました。そのなかでもっとも印象に残ったことは、「『普通』の基準は人それぞれだからこそ、手話を完璧には覚えず、選手に対してあくまでフラットなコミュニケーションを取っていった」という言葉でした。私も聴覚障害があり、生活していくうえで多少の不便さはあれど、健常者と同じように生活したり、働いたりしています。障害や文化も含めて、さまざまな互いの違いを受け入れれば、ダイバーシティも発展していくのではないかと感じました。

狩野監督(写真左端)、執筆者・河村(写真右端)
さらにインタビューのなかで、「聴覚障害を持つ人の表現は、健常者のそれに比べてかなりストレートである」という気づきがあり、私はとても驚きました。たしかに普段の生活を思い返してみると、手話を使った会話では、健常者の会話よりも情報量が少ないことに思い至りました。ボディランゲージや表情を豊かにし、健常者の会話以上にさまざまなコミュニケーション手段を駆使して伝える工夫はしているものの、やはりまわりくどい言い方や二重否定などは避ける傾向にあります。日本の健常者は、日本の文化にしたがい「相手を察する」ということに関してじつに長けており、デフ(聴覚障害者)の私たちに対しても必要以上に気を遣い、遠回しな表現や言葉を遣いがちだと感じます。

しかし、狩野監督のようにフラットなコミュニケーションでも、みなさんが伝えたいことはしっかり伝わりますし、きちんと理解することもできます。もし仕事やプライベートで機会があれば、思いきって「特別視」せずに、フラットに接してみてほしいなと思っています。
手話サークルの地道な活動が、お客様の役に立つ未来を目指して
取材後はランチをしながら、狩野監督にも手話サークル活動にご参加いただきました。健常者目線の手話や価値観の違いについてお話をうかがい、デフとの多角的な関わり方について理解を深めました。健常者のサークルメンバーは、狩野監督のように「自分以外はみんな聴覚障害者」という状況下で過ごすということはほとんどないため、みんな身を乗り出して監督に質問していました。

特に関心が大きかったのは、必要最小限の手話だけを覚えている狩野監督が、知っている限りの手話を使ってコミュニケーションをとるだけで、選手がとても喜んでくれるという話でした。皆さんも同じような経験はありませんか? たとえば海外に旅行して、少しだけでも日本語を話せる現地の方に出会ったとき。相手が自分を理解してくれようとする努力、コミュニケーションをとろうとしてくれる姿に、嬉しいような、胸が弾むような気持ちになったはずです。

たしかに、手話には表現がとても似つかわしい言葉が存在するため、すべてを完ぺきに覚えることは難しいのですが、たった少しでも手話を交えながら会話してくれるのは、とても嬉しいと私も感じます。つまり大切なことは「完ぺき」なことではなく、相手に寄り添おうとする「心」なのではないでしょうか。

狩野監督ありがとうございました! by 神奈川支社手話サークル一同
今回狩野監督のお話をうかがい、改めて手話サークル活動の必要性を感じたとともに、今後はセゾンカウンターに足を運んで、カウンターのスタッフに手話を教えてみたいとも思いました。どんなお客様にも一歩先のご案内ができるよう貢献し、サービス最先端企業としての価値をより高めていきたいと思います。

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