スマホ世代の育て方②中高生SNSで話題の「勉強垢」。親の知らないイマドキ学習法とは

スマホ世代の育て方②中高生SNSで話題の「勉強垢」。親の知らないイマドキ学習法とは

2017年7月14日公開

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2016年(平成28年)の総務省のデータ「インターネット普及状況」によると、スマートフォンの世帯保有率は70%を超えました。いまの子どもたちは物心ついたときから身近にスマホやタブレット、パソコンがあり、動画を見たりゲームをしたりするなかで育った、いわば「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代。

「スマホ育児」「ネット依存」「ネットいじめ」など、子どもにインターネットを使わせるのが心配になるニュースが報じられる一方で、知育アプリや学習アプリなどの役立つものも登場しています。心配ごとを増やすのではなく、デジタルとうまくつき合うためにはどうすればいいのか。ITジャーナリストの高橋暁子さんと一緒に、子どもたちとデジタルをめぐる最新事情を考えていきます。自分専用のスマホを持つ中学生・高校生は、勉強でもSNSやアプリを活用しているそうです。第2回は、「デジタルネイティブな中高生が利用するSNS学習法」をテーマに、イマドキ学生の実態について執筆いただきました。
勉強専用のSNSアカウント「勉強垢」で、やる気スイッチを自分でオン!
「子どもにとってスマホは悪」。そんな先入観を持つ保護者が多いのは、スマホが勉強の妨げになると考えてしまうからだと思います。しかし、スマホが学習意欲をかき立てるケースもあります。学習用アプリ「Studyplus」をご存知でしょうか。自分の学習時間を記録するだけでなく、フォロワーと励まし合いながら学習ができるため、ユーザー数は260万人を突破するほどの人気。フォロワー(友だち)の学習時間を見たり、自分の学習時間を公開して周囲からリアクションがもらえたりできるため、「勉強のモチベーションが上がる」と評判です。

学習用アプリ「Studyplus」
10代の子どもたちは、TwitterやInstagramなどのSNSも学習コミュニケーションの場として活用しています。それらのSNSは複数のアカウントをつくることができるので、趣味や交流のアカウントとは別に、勉強専用アカウントをつくって学習用に活用しています。

Twitterの場合、勉強専用のユーザー名を「リオ@勉強垢(垢=アカウントの意)」などにし、プロフィールには、学年、得意教科や苦手教科、志望校や目標とする偏差値・点数などを自己紹介代わりに掲載しています。そして、投稿にハッシュタグで「#勉強垢」「#勉強垢さんと繋がりたい」「#勉強垢さんRT(リツイート)」「#勉強一緒に頑張ってくれる方RT」などをつけることで、全国の仲間とつながっていきます。Twitter上で目標を宣言したり、勉強時間を公開したり、フォロワー同士でお互いに励まし合っているのです。

おしゃれな写真が多く公開されているイメージのInstagramでも、勉強垢は目立ちます。「#勉強垢」のハッシュタグをつけた投稿数は46万件、「#勉強垢さんと繋がりたい」は36万件、「#勉強垢さんと仲良くなりたい」は8万件、「#勉強垢さんフォロバ(フォローバック。フォロー返しのこと)します」は4万8千件も投稿されています。

Instagramの勉強垢では、学年、学習時間、学習内容、志望校などのハッシュタグをつけて、そのハッシュタグを辿ってきた人とコメント欄で励まし合っている姿が見られます。また、「#モニグラ(モーニング+Instagram)」「#ヒルグラ」「#ヨルグラ」などというハッシュタグは、それぞれ朝勉、昼勉、夜勉を意味します。それぞれのハッシュタグで検索すれば、同様の時間に勉強している仲間が見つかるというわけです。

そのようなハッシュタグをつけて投稿している子どもたちはみんな、将来への希望や悩みを持ち、日々努力しています。その様子は保護者世代の青春時代とまったく変わりません。お互いに励まし合い、やる気を高めるために、いまの時代ならではのツールをうまく活用しているのです。
入学前にもう友だちが100人!? 地方出身の大学生も活用できるスマホ術
大学生の友だちづくりにも、変化が出てきているようです。大学進学で初めて都会に出てきたとき、地方出身者は「友だちできるかな」「都会に馴染めるかな」と入学式・オリエンテーションをドキドキしながら迎えたものですが、いまは入学前に友だちの輪ができています。

Twitterで「リオ@○○大学合格」などユーザー名やプロフィール欄で進学先の大学名を公開したり、「#春から◯◯大」などのハッシュタグを使って、同じ大学に入学する同級生同士がつながるようにしています。その目的は、情報交換。一人暮らしの新居をどこにするか、大学の様子などの情報を入学前に知っておくことができるだけでなく、入学初日から知り合いがいる状態で始められるため、スムーズに大学生活をスタートさせることができるそうです。

また、自分で受講する講義を選択してスケジューリングする大学生からは、「すごい時間割」というアプリが支持されています。同アプリは時間割を簡単作成し、出席・欠席数を管理するほか、テスト日程や課題の〆切、休講情報などのスケジュールを管理することができます。さらに、同じ授業を受けているほかのユーザーもわかるため、友人・サークル・ゼミ仲間とも時間割を共有できます。多くの大学生が「大学生活において必須のアプリ」と断言しています。

自分を表現できる場、悩みを相談する場として、スマホに救われる子どももいる
私はたくさんの学校に、インターネットやSNSの安全利用について講演に行きますが、子どもから、「インターネットがなかったら誰にも相談できなかった」という話を聞くことがあります。たとえば、いじめにあったとき、インターネット上で知り合った相手や、「チャイルドライン®18さいまでの子どもがかけるでんわ」「インターネット人権相談窓口」などの相談機関に話すことができて、とても救われたというケースは少なくありません。インターネット経由での知り合いは自分に利害関係がないので、子どもにとっては相談しやすく、セーフティネットとして機能することがあります。

また、ウェブサイトなどにイラストや動画などの作品を公開して自分の存在をアピールする子もいます。たとえばプログラミング言語「Scratch」のサイトでは、多くの小学生が自分のプログラミング作品を公開しています。海外の人にも見てもらうために英語を学んだり、プログラミングの改造についてインターネット上でほかの人に相談したりしています。

YouTubeやTwitCasting(通称「ツイキャス」)、ニコニコ生放送(通称「ニコ動」)、LINE 生LIVEなどで、自分のイラスト、歌、ダンスなどを公開する子もいます。スマホひとつで自分の好きなこと、得意なことを多くの人に見てもらえる。さらに、そこから人生のチャンスをつかむ子もいます。インターネットを使って多くの人に見てもらえることにより、それまで世の中に出ることのなかった才能を開花させたり、チャンスを掴める可能性が生まれたりするのは素晴らしいことだと思います。

スマートフォンは、過剰な依存や、本来の生活に支障が出るような使い方をしてしまうとマイナスになりますが、このように、うまく使いこなしている例もたくさんあります。勉強中にスマホを見ている子どもに「スマホばっかりいじらない!」と叱る前に、現代っ子の活用術を理解して、ときには見守ることも必要なのかもしれません。
プロフィール

高橋暁子(たかはし あきこ)
ITジャーナリスト。LINE、Facebook、TwitterなどのSNSや、10代のSNS利用実態、情報リテラシー教育に詳しい。著書『ソーシャルメディア中毒』のほか、新刊には『Twitter広告運用ガイド』がある。元教員の経験をいかして、雑誌・新聞・テレビ・ラジオなど多方面で活動中。7歳の男の子のママ。

http://akiakatsuki.com/

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