子どもの好き嫌いに奮闘するママ必読。勝負は「離乳食と親子料理」で決まる

子どもの好き嫌いに奮闘するママ必読。勝負は「離乳食と親子料理」で決まる

2017年8月24日公開

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厚生労働省は「健康寿命を伸ばそう!」をスローガンに、日本人に正しい食環境や生活習慣を喚起。それによって「健康」を意識する人が増え始めた一方、大人の問題だった肥満や生活習慣病が、子どもたちにも発症しているといいます。その原因の一つが、小さい頃の偏った食生活です。

現代の子どもの食に対して、管理栄養士の小山浩子さんは「栄養バランスのいい離乳食をとることが、健全な発育を促す食習慣へとつながる」と語ります。つまり、離乳食期の環境がその後の食生活を左右するということ。好き嫌いを減らす工夫や注意点、家庭でできる食育のポイントを、食の専門家・小山さんにうかがいました。日々、子どもの好き嫌いに奮闘するママたちは必読です。

取材・文:阿部美香 撮影:田中一人
プロフィール

小山浩子(こやま ひろこ)
料理研究家・管理栄養士・フードビジネスコーディネーター。大手食品メーカー勤務後に独立。大手企業とのレシピ開発のほか、病院、保健センターでの栄養教室なども担当。ミルク料理研究家としても人気。年100回以上の講演を行うほか、育脳や食育をテーマにしたメディアにも多く出演している。著書は『「健康おやつ」で子どもに免疫力を育む!』『人気管理栄養士が教える 頭のいい子が育つ食事』ほか多数。小学館の『ウェブ子育てカフェ』で育脳レシピ好評連載中。
http://koyama165.com/
子どもの「甘いもの好き」は母乳の安心感からきている
—親なら誰しもが、子どもの偏食をなくしたいと思っています。そもそも、なぜ子どもは好き嫌いが多いのでしょうか?

小山:脳科学の分野では、3歳で脳の神経細胞がもっとも発達し、6歳になると脳全体の9割は完成するという研究結果が出ています。じつは味覚も、3歳くらいまでに好みが決まり、8歳くらいで完成すると言われているため、離乳食期が味覚の形成にもっとも大切なのです。

人間の舌には味蕾(みらい)という小さな味のセンサー(細胞)が約1万個あります。味蕾の数が多いほど味に対して敏感になるのですが、その数は11歳くらいをピークに年々減っていきます。ですから、幼児期は味に対して大人よりもとても敏感。また、子どもは味の経験が浅いので、苦手な味に対して大人以上に拒否反応を示します。それが強い好き嫌いとなって表れるんです。

—幼児期までになるべく多くの味を経験し、慣れ親しんでいれば、好き嫌いは減るということですか?

小山:はい。離乳食期にいろいろな味を経験することで、苦みや酸味に対する慣れをつくることができます。ところが、人間は本来苦みを毒と認識し、酸味を腐敗と認識してしまう生き物なので、本能で生きる子どもはとくに食べるのを嫌がります。

反対に、一番好きなのは甘味と塩味。初めて口にする甘い母乳は、一番安心できる味として脳に記憶されているのです。そして塩分は、人間が生命を維持するうえで大切な水分量の調節や、代謝コントロールをするためのナトリウムを含むので、摂取すべきものとして本能が働きます。

「現代人は食生活が乱れ、小学生でメタボリックシンドロームになる子もいます」
—よく、甘塩っぱい味のハンバーグやスパゲティー、味つけの濃いカレーなどを好み、苦みや酸味のあるものを嫌う大人のことを「子ども舌」などと言います。

小山:そうですね。たとえば、塩分濃度0.5%の食塩水を用意すると、子どもは塩味を感じますが、大人は水との差を感じにくくなります。舌が敏感な時期に必要以上の塩味を与えてしまうと血液中の塩分濃度が高まり、どんどん味つけの濃いものが好きになってしまいます。

濃い食事をとり続けると塩分過多になり、生活習慣病の発症率も上がってしまう。おかずの味つけが濃いとパンなどの主食もとりがちなので、肥満にもなりやすい。幼児期の食バランスの悪さが原因で、小学生でもメタボリックシンドロームや糖尿病、高血圧を発症する場合があります。

—「食育」という言葉が一般的になり、小児生活習慣病の数は減っているものの、やはり幼少期の食生活は親のケアが大切なのですね。

小山:小学校高学年になると自立心も芽生え、自分で食事を選ぶようになります。そうなると親の力で好き嫌いを克服させるのは難しいでしょう。その前に、味や食事のバリエーションを増やしてあげることをおすすめします。

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