スマホ世代の育て方③親も一緒に学んでいこう。子どもの可能性を広げるインターネット教育法

スマホ世代の育て方③親も一緒に学んでいこう。子どもの可能性を広げるインターネット教育法

2018年2月16日公開

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2016年(平成28年)の総務省のデータ「インターネット普及状況」によると、スマートフォンの世帯保有率は70%を超えました。いまの子どもたちは物心ついたときから身近にスマホやタブレット、パソコンがあり、動画を見たりゲームをしたりするなかで育った、いわば「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代。

「スマホ育児」「ネット依存」「ネットいじめ」など、子どもにインターネットを使わせるのが心配になるニュースが報じられる一方で、知育アプリや学習アプリなどの役立つものも登場しています。心配ごとを増やすのではなく、デジタルとうまくつき合うためにはどうすればいいのか。ITジャーナリストの高橋暁子さんと一緒に、子どもたちとデジタルをめぐる最新事情を考えていきます。

第1回「スマホ世代の育て方①スマホを持たせるなら、何歳から?」
第2回「スマホ世代の育て方②中高生SNSで話題の「勉強垢」。親の知らないイマドキ学習法とは」

第3回は、ソーシャルメディアの可能性を探求するウェブメディア「kakeru(かける)」の編集長・三川夏代さんにインタビュー。10代のスマートフォンユーザーの実態についてお話をうかがいました。

取材・文 / 高橋暁子 撮影 / 田中一人
プロフィール

三川夏代(みかわ なつよ)
1989年生まれ。株式会社オプト ソーシャルメディアコンサルタント兼ソーシャルメディアの可能性を探究するメディア「kakeru」の編集長。企業のSNSプロモーション支援や講演、SNSの利用実態を調査・情報発信を行なっている。NHKニュース番組「シブゴジ!」やフジテレビ「ノンストップ!」出演、Twitter Japan「#はじめてのTwitter動画広告」のモデレーターを務める。

高橋暁子(たかはし あきこ)
ITジャーナリスト。LINE、Facebook、TwitterなどのSNSや、10代のSNS利用実態、情報リテラシー教育に詳しい。著書『ソーシャルメディア中毒』のほか、新刊には『Twitter広告運用ガイド』がある。元教員の経験をいかして、雑誌・新聞・テレビ・ラジオなど多方面で活動中。8歳の男の子のママ。
http://akiakatsuki.com/
将来の夢は「YouTuber」。ライブ配信にハマる子どもたち
高橋:株式会社オプトではデジタルネイティブと呼ばれる1990世代後半に生まれた世代、なかでも10代の子どもたちを中心にインタビュー調査をしているとうかがいました。最近の子どもたちのあいだではスマートフォン(以下、スマホ)の使い方にどんな傾向があるのでしょうか?

三川:2017年に渋谷や原宿、新宿などの女子高生を中心にアンケート調査を行なったのですが、平均するとスマホに約40個のアプリをインストールしているという結果が得られました。多い子だと80個ものアプリがインストールされていましたね。理由を聞くと「流行っているアプリは使う、使わないは無関係に、とりあえずインストールしちゃう」という子が多い。

男性はゲーム、女性は写真や動画の加工アプリを必ずといっていいほど入れていますね。写真加工に関しては複数のアプリを使い分けているそうです。また、「SHOWROOM」や「LINE Live」など、動画をリアルタイムでインターネット配信できる「ライブ配信型アプリ」の利用者も多いですね。

左からkakeru編集長・三川夏代さん、ITジャーナリストの高橋暁子さん
高橋:動画配信といえば、最近はYouTuberに憧れている子どもが多いですね。ソニー生命保険の「中高生が思い描く将来についての意識調査」によると、男子中学生における将来なりたい職業の第3位に「YouTuberなどの動画投稿者」がランクインしています。女子中学生においても第10位に入っています。(2017年3月 ソニー生命保険株式会社「中高生が思い描く将来についての意識調査」調べ)

三川:そうですね。YouTuberは子どもたちに浸透していて、元HKT48のゆうこすさん(菅本裕子さん)とか、NMB48の吉田朱里さんなどが人気です。とくに女の子からは「彼女たちのようなインフルエンサーになりたい」「ファッションやセンスを褒められたい」という声を耳にします。

彼女らに憧れてライブ配信を始める子たちは、お金を稼ぎたいというよりは、ライブ配信を通じて誰かに褒めてもらいたい、応援してもらいたいという欲求がモチベーションになることが多いようです。

高橋:YouTuberのHIKAKINさんによるゲーム実況は、男の子からの人気が高いですよね。「『Minecraft』(※)はすべてHIKAKIN動画から教わった」と言っている小学生の男の子を知っています。

※世界的に人気を博すオンラインゲーム。プレイヤーは架空世界にブロックを設置し建造物をつくっていく。通称「マイクラ」

三川:ゲームの好みも男女では違いますよね。ゲーム分析企業「Quantic Foundry」の調査によると、女の子は「コンプリートできる」「ファンタジーを感じる」「デザイン性が高い」ゲームを、男の子は「競争」「破壊」といった要素を含んだゲームを好む傾向があります。たしかに、女の子からはかわいいキャラクターが登場するビジュアル重視のものが人気ですし、『モンスターストライク』『パズル&ドラゴンズ』などのアクション系のゲームは男性のユーザーが多いですね。

高橋:はっきり分かれますね。スマホゲームが子どもたちに浸透することをネガティブに捉える方も多いのではないでしょうか?

三川:子どもたちが、現実世界でもリセットボタンひとつでやり直しがきく感覚を持ってしまう「ゲーム脳」になる危険性を指摘する研究論文も発表されていますが、個人的にはポジティブな側面もあると感じています。たとえばSNSのようにコミュニケーションツールとなっているゲームアプリもありますし、それをプレイすることが友だちの輪が広げるきっかけにもなっています。どうやって使うかが問題であって、ゲームの存在自体が悪影響を及ぼすわけではないですよね。

高橋:私も、「ゲーム脳」化は特に感じないですね。講演活動をしているので小学生から大学生までの子どもたちと話す機会がありますが、われわれ大人と同様にゲームと現実世界との区別はしっかりできている印象を受けます。ただ、ゲームの世界では努力すれば確実に報われるから、現実世界でうまくいかなくて、逃避するためにゲームに逃げ込むという面はあると思います。
「顔バレ」はメリットのほうが大きい? 中高生のオープンな個人情報感覚
高橋:中高生のあいだでは動画配信を通じて自身の顔をインターネット上に公開し、断りもなく友だちの写真をSNSに投稿することが普通になっています。これについてどう思いますか?

三川:個人情報が漏れても平気という子は多いですね。中高生のツイートを見ていても、顔や住所がバレても、「注目を浴びている」「有名になった」とポジティブに捉えている子も少なくない。リスクを理解していないからかもしれませんが、個人情報に対する危機意識が変わってきているのを感じますね。

高橋:おっしゃるとおりですね。個人情報をオープンにしているにもかかわらず、10代の子どもがネットを理解せずに利用していることには危機感を感じます。たとえばTwitterのツイートは、すべてのユーザーが見ることができるのですが、自分のツイートは(自分を)フォローしていない人は見ることができないと勘違いしている子が多いんです。

三川:そうですね。若い子に限らず、大人でもデジタルリテラシーが高くないと知らない機能がSNSにはたくさんあります。この問題はいまだけのことではなく、流行のSNSのプラットフォームが変わっても起こり続けていくのではないかと思いますね。

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