スマホ世代の育て方③親も一緒に学んでいこう。子どもの可能性を広げるインターネット教育法

スマホ世代の育て方③親も一緒に学んでいこう。子どもの可能性を広げるインターネット教育法

2018年2月16日公開

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この時代に子どものインターネットを禁止するのはもったいない。安全に使えるネット環境を整えよう
高橋:SNSは、機能をよく知らなくても「簡単に使えてしまう」から問題が広がっている面もあります。友達だけで共有しようとしていたイタズラ動画がSNSで拡散し、「炎上」する事例も少なくないです。しかし、子どもたちに対して、安易にSNSを禁止するのも問題だと感じます。三川さんはどう思いますか?

三川:危険だからといって「ネット利用禁止」から入るのはもったいないと思います。学びの機会を奪うことにつながりますし、自分の子どもの使用を制限しても、友だちから情報が入ってくるので完全に制御することはできませんから。細かい機能を覚えるのではなく、インターネットを使用するうえでの基礎的なリテラシーをしっかりと伝えてあげるといいと思うんです。

高橋:ゲーム機や教育用タブレットなどでもインターネットは使えるので、いずれにしても子どもにはネットやSNSの基礎知識について、家庭でしっかり教える必要がありますね。

昨今では社会的に問題意識が浸透してきたようで、東京都教育委員会は2015年に「SNS東京ルール」を策定しました。これは児童がSNSを通じていじめや犯罪といったトラブルに巻き込まるのを防ぐためのものです。小学校1年生からパンフレットが用意されており、私の子どもの小学校では3年生の授業で「SNSの安全な使い方」を取り上げるそうです。

最近は、高校生や大学生が小学校にスマホやSNSの使い方を教えに行く授業がよく行われています。教えることで高校生や大学生も安全性について考える機会になるし、小学生にとっても年齢の近いユーザーである学生たちのリアルな言葉が響くようです。

三川:そのような取り組みが続けていけば、子どもたちの意識が良い方向に変わりそうですね。ただ、私は子どもにインターネット教育を行うのは必ずしも親の役目ではないとも思うんです。たとえば、インターネット上に案内人のような人がいて、作法を教えるとか……。普段からインターネットに慣れ親しんでいる方々が「教える場所」をつくるのが、大事ではないかと感じています。

たとえば絵や表現が得意な子たちにとっては、TwitterやYouTubeに作品をアップして、いろいろな人に見てもらうという使い方もあると思うんです。表現の場としてSNSを活用すれば、そこで作品が評価され、可能性が広がることもある。ですが、そういった使い方を必ずしも親が教えられるわけではありません。ならば同じような使い方をしているアーティストから学ぶ機会があれば、可能性も広がりますよね。

高橋:なるほど、たしかにその道のプロにSNSの使い方を教えてもらえれば、子どもの可能性は広がるかもしれません。親は管理しすぎてもいけないし、放任しすぎてもいけない。バランスが難しいですよね。

三川:小学生時代からTwitterを使いこなしている「はるかぜちゃん(女優の春名風花さん Twitterアカウント:@harukazechan)」ってご存知ですか? 彼女はTwitterで18万人のフォロワーを持つ(※2017年10月時)すごいインフルエンサーですが、はるかぜちゃんを支えたお母さんがすごいんですよ。

はるかぜちゃんは、かつては言いたいことをお母さんにしか言えない内気な性格だったそうです。ですが、「思っていることを全部書いてみたら?」というお母さんのすすめからブログを始め、いまではTwitterを通じて自分の意見を積極的に発信するようになりました。

SNSで炎上しないか、犯罪に巻き込まれないか……見守る保護者にとっては、不安に感じるのが普通です。そのような不安がありながらもはるかぜちゃんを信頼し、自由にさせてあげたからこそ、いまの彼女がある。そういった信頼関係を親子間で築き、見守ってあげることが大切なんだと思います。
洋服はメルカリでの売値を計算して買う。変化する若者の金銭感覚
高橋:親子の信頼関係、コミュニケーションが基盤になるというのは、リアルの世界でもデジタルの世界でもまったく同じですね。

三川:はい。ただ、デジタルコミュニケーションのほうが親のリテラシーが試されるとは思います。たとえばフレンドファンディングアプリ「polca(ポルカ)」というものがあります。これはユーザー同士が金銭的な支援が行えるアプリです。「〇〇がやりたいから〇〇円ください」というようにプロジェクトを立ち上げると、賛同したユーザーから手軽に支援金を集めることができます(利用には保護者の同意が必須)。こういうサービスが生まれることで、お小遣いが欲しいときに親に頼るシーンが少なくなってしまうかもしれません。

また、ライブ動画配信や、そこで同時にモノを販売するライブコマースなど、親の同意さえあれば子どもでも簡単にお金を得ることができる時代になってきています。それはつまり、親や家族の役割が問い直される時代になったと言い換えることができるのではないでしょうか。

高橋:たしかに、ネット上でのおこづかい稼ぎは浸透してきましたね。中高生のなかにはおこづかいが足りなくなると、「なんかメルカリで売れるものはないかな」と考える人も多いそうです。高いものを買うのではなく、お金を賢く使うことがステータスになっているような気がします。

三川:金銭感覚が変化してきていますよね。たとえば、服を買うとき、「この3,000円の服を買って1か月着たとすると、メルカリでは1,000円で売れそうだから純出費としては2,000円だな」と見越して服を買うというんです。驚きですよね。私が学生のころにはなかった感覚です。同時に、ブランドの商品にステータスを感じなくなっていますよね。それは若者の消費活動全般にいえることだと思います。
子どものインターネット教育で大事なのは、「親も一緒に学ぶ姿勢」
高橋:必ずしもスマホやインターネットの影響というわけではないですが、小中高生の価値観は間違いなく変化してきていますよね。デジタルネイティブ世代の親御さんに向けて、アドバイスはありますか?

三川:私が大切だと思うのは、大人のほうから子どもの価値観に歩み寄ろうとすることですね。インターネットやSNSを取り巻く環境は変化が激しいですし、大人も子どもと一緒に学んでいったり、ときには子どもから教えてもらったりするのも1つの手だと思います。親子で一緒に楽しむことができれば不安も解消されますし、コミュニケーションにもなりますからね。

インターネットの良いところは、自分の考えを自由に表現できる環境が整っていることです。SNSでの発信を通じて価値観の合う仲間と出会えることもあるでしょうし、影響力を持つようになれば仕事のツールとして使うこともできますよね。そうした可能性を伸ばしてあげられるよう、適度な距離感でお子さんを見守ってあげてほしいと思います。

高橋:そうですね。私が子どもたちと接していて感じるのは、彼らはたしかに大人とは違う価値観を持っていますが、丁寧に話を聞いてみると、意外と理解できることが多い。「理解できない」からといって子どもたちを否定したり、切り捨てたりするのではなく、「なぜそうするのか?」を問いかけ、歩み寄っていく姿勢が大切なんだと思いますね。

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