【医師監修】赤ちゃんの中耳炎は熱がサイン? 薬や6つの予防策!!

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「中耳炎」は、赤ちゃんがかかりやすい病気ですが、適切な治療を行わないでいると、慢性化したり、難聴になってしまったりすることがあります。ここでは、できるだけ早く対処ができるように、赤ちゃんが中耳炎になったときに出すサインや、中耳炎の治療法、ホームケアの方法などについてお話していきます。





この記事の監修ドクター

木村聡子先生

日本耳鼻咽喉科学会専門医、医学博士。女医+(じょいぷらす)所属。

そもそも中耳炎ってどんな病気?

中耳炎の「中耳」ってどこにあるの?
耳は、外側から「外耳(がいじ)」「中耳(ちゅうじ)」「内耳(ないじ)」という3つの部分に分類されます。このうち「中耳」というのは、鼓膜の奥にある空洞のことで、外耳から入って鼓膜を振動させた音を、増幅して耳の一番奥にある内耳に伝える役割をしています。

また、中耳の中は、空気で満たされていますが、中耳の中の気圧と、外気の気圧に差が出ると、鼓膜が引っ張られたりして、音が聞こえにくくなってしまいます。そこで中耳は、「耳管(じかん)」という管で鼻やのどとつなっており、気圧を調節できる仕組みになっているのです。

中耳炎とは?
中耳炎は、細菌やウイルスが中耳に入り込み、炎症を起こしたり、炎症で滲み出た液体がたまったりする病気です。お風呂やプールの水が耳の中に入ることが、中耳炎の原因だと思う人もいるようですが、中耳の入り口には鼓膜が張ってあるので、鼓膜が正常ならあまり関係はありません。中耳炎の原因になる細菌やウイルスは、鼻やのどから、耳管を通って中耳の中に入り込むのです。

中耳炎の種類
中耳炎には、いくつか種類がありますが、代表的なのは、「急性中耳炎」と「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」です。

・急性中耳炎…中耳に急性の炎症が起こった状態のことです。風邪などの感染症が原因で、鼻やのどについた細菌やウイルスが内耳に入り込むことで起こります。

・滲出性中耳炎…内耳に液体が溜まった状態のことです。主に鼻の調子が悪い場合や耳管の機能が正常でない場合になりやすく、また急性中耳炎が治っていく過程で滲出性中耳炎になることもあります。

どうして赤ちゃんは中耳炎になりやすいの?
中耳炎は、大人がかかることはそれほど多くありません。しかし子供には、ごくありふれた病気で、特に生後6ヶ月から2歳頃までには非常に多く見られます。その主な理由として、次の2つのことが考えられます。
耳の構造の問題
中耳と鼻やのどをつなぐ耳管は、成長にするに従って、細く長くなり、形も垂直に近づいていきます。しかし、小さいうちは、太く短く、水平に近い形をしているので、風邪などをひくと、鼻やのどで増殖した細菌やウイルスが中耳に入り込みやすいのです。
免疫力が低い
赤ちゃんは、お腹の中でお母さんから免疫をもらって生まれてくるので、生まれたばかりの頃は、あまり感染症にかかりません。しかし、生後6ヶ月くらいになると、その効力がなくなってしまうので、免疫力が発達する2歳頃までは、感染症にかかりやすい傾向があるのです。
こんなときは中耳炎かも?赤ちゃんの仕草やサイン

赤ちゃんの中耳炎は大人が気づいてあげることが大切
一般的に急性中耳炎になると、発熱、耳の痛み、耳垂れなどの症状が現れます。一方、滲出性中耳炎の場合は、難聴や耳の閉塞感が主な症状です。

しかし、赤ちゃんの場合は、痛みや耳の不快感を言葉で伝えることができないので、周囲の大人が異変に気づいてあげることが、早期発見のカギになります。

では、具体的に赤ちゃんにどんな仕草をしていたら、中耳炎の可能性があるのでしょうか? ここからは、赤ちゃんの中耳炎のサインをご紹介していきます。

赤ちゃんの急性中耳炎のサイン
・熱がなかなか下がらない

・機嫌が悪い

・理由がよくわからないのにグズグズする

・夜泣きをする

・耳をやたらに触る

・首を振る

赤ちゃんの滲出性中耳炎のサイン
・話しかけたり大きな音がしたりしても、振り向かない、反応が乏しい

滲出性中耳炎の症状は、難聴(音が聞こえにくくなる)だけなので、赤ちゃんが泣いて訴るようなことはなく、気づきにくいのが特徴です。しかし発見が遅れると、難聴が進んで言葉の発達が遅れるケースもあるので、注意しましょう。
赤ちゃんの中耳炎の治療法は?

赤ちゃんが中耳炎かもしれないと思ったら、できるだけ早く耳鼻科に連れていきましょう。病院では、次のような治療を行います。
急性中耳炎の治療
基本は薬を使った治療
急性中耳炎の治療は、薬物療法が基本で、症状が軽い場合は解熱鎮痛剤、細菌感染があきらかな場合は、抗生物質の飲み薬を服用します。

このときに注意したいのが、症状が良くなったからといって、勝手に薬の服用をやめないこと。というのも、治りきらないうちに抗生物質の服用をやめてしまうと、細菌が薬に対する耐性を持ち、薬が効かなくなって難治性の性中耳炎になったり、慢性中耳炎に移行してしまったりすることもあるからです。抗生物質を処方されたら、医師がやめていいというまで、きちんと薬を服用し続けましょう。急性中耳炎は、完全に治るまでには、だいだい2〜3週間くらいはかかるといわれています。

鼓膜切開をすることも
急性中耳炎が悪化して、膿がたまっていたり、痛みがひどかったり、高熱が出ていたりする場合は、鼓膜を切開して、中にたまった膿を取り出す「鼓膜切開」を行うことがあります。鼓膜の切開というと、とても痛そうなイメージがするかもしれませんが、局所麻酔するので、ほとんど痛みはありません。ただし子どもの場合はじっとしているのが難しいので、全身麻酔で行うこともあります。また、切開した鼓膜は数日〜1週間ほどで自然に塞がることが多いので、一般的には術後に耳が聞こえにくくなってしまうようなこともほとんどありません。
滲出性中耳炎の治療
滲出性中耳炎の治療には、「中耳炎を引き起こしている鼻やのどの病気に対する治療」と「滲出液をなくして聞こえを良くするための耳の治療」があり、両方を並行して行っていきます。
鼻やのどの病気に対する治療
必要に応じて抗生物質や抗ヒスタミン薬、酵素消炎薬などの飲み薬を服用します。また、アデノイドや扁桃腺が大きい為に起こっている場合には手術でこれらを取ることもあります。
耳の治療
症状が軽い場合は、鼻から空気を送って滲出性液を排泄する「耳管通気」を行ったり、内服薬で経過をみたりします。症状が重く、なかなか水が抜けない場合には「鼓膜切開」を行います。また、薬を使った治療や鼓膜切開を繰り返しても、滲出液がたまってしまうという場合は、切開した鼓膜にチューブを挿入する「鼓膜チューブ留置(鼓膜ドレーン)」を行います。

滲出性中耳炎は、急性中耳炎より治るまでにさらに時間がかかる病気です。「なかなか治らないから」と諦めず、根気よく治療を続けましょう。

中耳炎のホームケアはどうすればいい?

耳垂れはやさしく拭き取って
耳垂れが出ているときは、清潔なガーゼや綿棒でやさしく拭き取り、耳の周りを清潔にしてあげてください。ただし、耳の奥まで拭く必要はありません。
耳が痛そうなとき
急性中耳炎の痛みは、冷やすことでやわらげることができます。痛みが激しくて泣き叫んでいるような場合は、水で濡らして絞ったタオルやタオルにくるんだ保冷剤などを使って、耳の後ろを軽く冷やしてあげましょう。ただし、氷などでキンキンに冷やすと、かえって痛みが強くなることがあるので注意しましょう。
お風呂に入れても大丈夫?
体が温まると炎症が悪化してしまうので、「熱があるとき」「鼓膜を切開したとき」「耳垂れがひどい」ときは、お風呂に入れないようにしましょう。軽くシャワー程度なら問題ありません。
赤ちゃんの中耳炎予防6つ

赤ちゃんの風邪に注意
中耳炎は、風邪に続いて起こりやすい病気なので、風邪を予防することが中耳炎予防につながります。赤ちゃんに風邪をうつさないように、家族の人は、うがい・手洗いをしっかり行い、風邪が流行っているときは、人混みに行かないようにしましょう。また、赤ちゃんが風邪をひいてしまったときは、早めに治療を受けさせてあげてください。
鼻水をたまったままにしない
赤ちゃんが風邪をひいて鼻水を出しているときは、市販の「鼻水吸引器」を使って、こまめに吸引してあげましょう。耳鼻科で鼻を吸ってもらうことも効果があります。また、鼻をかめる場合は、両方同時ではなく、片方ずつしっかりとかんであげることが大切です。特に、黄色い鼻水を出しているときは、細菌に感染している可能性が高いので注意しましょう。
ミルクは寝かせて飲ませない
赤ちゃんを仰向けに寝かせたままミルクを飲ませると、ミルクが耳管を通じて中耳に流れ込んでしまい、中耳炎になることがあります。ミルクを飲ませるときは、頭を起こした姿勢をとらせるようにしましょう。
肺炎球菌ワクチンを打つ
中耳炎の原因になる細菌には、さまざまなものがありますが、代表的なものの1つが「肺炎球菌」です。このため、「小児用肺炎球菌ワクチン」を打つことで、中耳炎の発症を抑えることができるといわれています。
赤ちゃんのそばでタバコを吸わない
受動喫煙は、鼻やのどの粘膜に悪影響を及ぼし、中耳炎を悪化させる要因になるといわれています。赤ちゃんのそばでは、タバコを吸わないようにしましょう。
おしゃぶりに注意
おしゃぶりをいつまでも使っていると、耳管に悪影響が及び、中耳炎にかかりやすくなるといわれています。急性中耳炎を何度も繰り返したり、滲出性中耳炎がなかなか治らないという場合は、おしゃぶりの使用を中止しましょう。
まとめ
中耳炎は、赤ちゃんがかかりやすい病気なので、日頃から様子をよく観察し、おかしいと感じたら、なるべく早く耳鼻科に連れて行ってあげてください。また、完全に治さないと再発を繰り返したり、滲出性中耳炎に至っては、難聴になってしまったりすることもあるので、医師の指示に従って、根気よく治療を続けるようにしましょう。

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