子育て漫画家あおむろひろゆきインタビュー「夫婦が同じ目線になればイクメンという言葉はいずれなくなる」

子育て漫画家あおむろひろゆきインタビュー「夫婦が同じ目線になればイクメンという言葉はいずれなくなる」

2017年8月17日公開

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女性の社会進出とともに、「パパ、もっと育児参加しようよ」といろいろなところで呼びかけられているなか、家事や育児に積極的に参加するパパたちを「イクメンで素敵!」と褒める声も聞こえます。パパ目線の育児奮闘記が人気の漫画家・あおむろひろゆきさんもそのひとり。漫画作品の画風と爽やかなご本人のギャップもさながら、子育てへの関わり方や奥さまのサポートは、まさに理想的なイクメン! しかし、「イクメン」という言葉には違和感を覚えるそうで……。あおむろさんの日常の子育てや夫婦のあり方、その価値観についてお話をうかがいました。

取材・文:丸山亜紀 撮影:千葉亜津子
プロフィール

あおむろ ひろゆき
1982年、京都府生まれ。会社員でありながら、漫画家でもある。2児の父。子どもの誕生をきっかけに、インターネット上で子育てマンガの投稿を始める。2014年、「デイリーポータルZ新人賞」優秀賞受賞。著書に『きみといつまでも 泣き虫おとうちゃんの子育て500日』(宝島社刊)、『新米おとうちゃんと小さな怪獣』(KKベストセラーズ刊)、共著に『うちの子の場合!』(KADOKAWA刊)がある。
育児に関わりたいと思うのは自然なこと。自分が「イクメン」だと思ったことはない
—そもそも、育児漫画を描くきっかけは何だったのですか?

あおむろ:ぼくはずっとバンドをやっていたのですが、宣伝のためにフライヤーの裏に漫画を描き始めたのがきっかけです。27、28歳くらいのころでしょうか。それから結婚して、1年後に第1子が生まれて……。「子育てはあっという間に終わる」というので、自分なりのやり方で記録したいな、と思ったのが始まりです。

—最初の著書『きみといつまでも』には、妊娠中のエピソードもありますね。

あおむろ:はい。妊娠がわかってすぐ描き始めました。あとで自分が読むことを前提に、楽しかったことも苦しかったこともなるべくリアルタイムで描くようにしています。気をつけているのは、「漫画を描くぞ」っていう目線で子どもを見ないこと。たとえば漫画のネタにするためにどこかに連れて行くのは、なんか間違っていると思うので、あくまで日常を漫画にするようにしています。うちの奥さんが几帳面で、細かく育児記録をつけているので、それとは違う視点で子どもの成長を残そうと。

―奥さまは、漫画を描くことについて何かおっしゃったりはしますか?

あおむろ:漫画を描き始めたころ、出版の予定が次々とダメになったことがあったんです。そのとき、「描く目標がなくなったなら、私のために描いて欲しい」って言ってくれて、「この人しかいない!」と思ってすぐプロポーズしました(笑)。

でも、奥さんは最初の本『きみといつまでも』を出すまで、僕の漫画をほとんど読んだことがなかったんですよ。ツイッターで漫画を発信していることは知っていたけれど、ちゃんと読んだことはなかったんです。漫画を読んで初めて、こういう目線で子育てを見ていたっていうのがわかって、喜んでくれましたね。

あおむろひろゆきさん
—あおむろさんは会社員と漫画家の二足の草鞋で、お忙しそうですよね。どうやって時間を作って、いつ執筆されているのですか?

あおむろ:子どもが21時台に寝るので、それから0時くらいまでが執筆時間です。でも、最近は寝ちゃいますね……(笑)。眠気覚ましドリンクを飲んで気合いを入れてから、寝かしつけに向かうんですが、もうあまり効かなくなっちゃって(笑)。娘に母性が芽生えたのか、最近逆にぼくを寝かしつけようとトントンしてくれるんですよ。気持ちよくてつい寝落ちしちゃって。ミイラ取りがミイラになるとは、このことだぞと。土日は子どもと遊ぶので、基本的に漫画はお休みです。

—普段はどういう毎日を?

あおむろ:昨年の12月に第2子が生まれ、いまは奥さんが育休中なのですが、保育園の送り迎えについては、基本的には奥さん主体でぼくは行けるときに行っています。家事はきっちり分担しているわけじゃないですけど、気づいたときにできる方がやるという感じです。

—それは、奥さまと話しあって?

あおむろ:いえいえ、分担の取り決めはとくにないです。でも、奥さんは本当に大変そうなので。子どものこととか食器を洗うくらいは自分でできますから、気づいたら動くようにしています。授乳以外のことなら、ぼくでも戦力になれますし、そうしないと家が回らないっていうのもあって。

あと、最近は難しいですけど、第1子のときは「母休みの日」を作っていました。卒乳したあたりから月1回くらい、そんなに回数は多くないですけど。たまには、日常と切り離して息抜きしてもらわないとね。

—その「母休み」は、あおむろさんからご提案されたんですか?

あおむろ:そうですね。最初は「ママがいない」ってすごく泣きましたし、どうしたらいいのかわからなかったのですが、とにかく数をこなして覚えていったという感じです。最初はずっと抱っこして。でもね、やっぱり家庭円満が大事ですからね。それが一番なので。ぼくもひとりで出かけるときがあるので、そこはフェアじゃないと。

—優しいですね! 奥さまは嬉しかったと思います。奥さまとの関係も素敵ですが、あおむろさんの本を拝見すると、お子さんが生まれる前から父になっているといいますか、お子さんに向きあっている感じが伝わってきますね。

あおむろ:そうですか? 同級生とか会社の同僚とか、ぼくのまわりの男連中はそれが普通ですよ(笑)。保育園の行事もお父さんたちは普通に参加していますし……。そういう環境にいるので、こういう取材を受けるまで特別なことだとは思ったことがなかったです。自分がいわゆる「イクメン」だとも、とくに思っていないですね。

「魔法が解ける瞬間」「赤ちゃん言葉」(『きみといつまでも』より)

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