【医師監修】赤ちゃんのインフルエンザ  症状・合併症・予防接種・ケア

【医師監修】赤ちゃんのインフルエンザ 症状・合併症・予防接種・ケア

Bu facebook
Bu twitter
赤ちゃんが感染した場合は、重症化する恐れもあるインフルエンザ。今回は、赤ちゃんのインフルエンザについて、症状や、合併症、ケアや治療の方法から予防接種の効果までをチェックしましょう。







この記事の監修ドクター

小児科専門医 長谷川友香 先生

日本医師会認定産業医、医学博士
女医+(じょいぷらす)所属。

赤ちゃんのインフルエンザの症状

インフルエンザの症状は、その名の通り「インフルエンザウィルスの感染」によって引き起こされます。しかし、感染した直後に症状が出るわけではなく、最大3日程度の潜伏期間(症状が出ない期間)があります。しかし、赤ちゃんの感染については「1日以内の発症」もあると考えられますので、インフルエンザ流行期に当たる時期などは「前日の外出でインフルエンザ感染・発症」という可能性もあると言うことです。赤ちゃんは、言葉で症状を伝える事はできません。ですからパパ・ママが、インフルエンザに感染した可能性のあるシチュエーションや、赤ちゃんに現れている症状から、判断する必要があります。
こんな症状はありませんか?
生後3ヶ月目くらいまでの赤ちゃんは、比較的病気になりにくいとも考えられます。それは母乳などから免疫を与えられているからですが、インフルエンザ感染の恐れはゼロではありません。また、本来は高熱に伴う、のどの痛み、関節痛、頭痛、筋肉痛、だるさを訴えるものですが、言葉のしゃべれない赤ちゃんには不可能です。以下、赤ちゃんがインフルエンザ感染した場合の分かりやすい症状をまとめました。

・38℃を超える高熱

・だるそうな様子

・鼻水

・せき(くしゃみは伴わない)

・ずっと不機嫌/泣き続けている

・ ご家庭・保育園・上の子の学校・仕事場・近所など周囲の環境でインフルエンザが流行している

ちなみに、 赤ちゃんがずっと不機嫌であったり泣き続けている理由としては、インフルエンザ感染に伴う「関節や筋肉の痛み、頭痛、だるさ、疲労感」などを感じている可能性も高いと判断できます。上記の症状が急速に現れた場合は、インフルエンザ感染の疑いが強いと言えるでしょう。
風邪とインフルエンザは違うの?
咳、鼻水、発熱など、一見するとインフルエンザと風邪は同じものに思えるかもしれません。実際に、症状としては重なる部分もかなり多いです。風邪もウィルス感染が原因ですが、インフルエンザウィルスに感染した場合は、症状が長引き重症化しやすいという特徴があります。具体的には、インフルエンザの方が熱が高く、症状が全身に及ぶのです。
合併症
インフルエンザの感染で想定される合併症は、気管支炎、肺炎、中耳炎などです。ゼーゼーと苦しそうな息をしていたり、言葉による呼びかけの反応が薄くなってきた場合は注意が必要と言えるでしょう。また、まれではありますが「インフルエンザ脳症」(急性脳症)にかかる可能性もあります。不可解な言動がみられる場合には、インフルエンザ脳症の可能性があります。

なお、幼児を中心とした子どもの「インフルエンザ脳症の増加」については、国立感染症研究所もホームページで紹介しています。(*)厚生労働省調査によれば、インフルエンザ脳症患者は毎年数百人報告され、死亡率は約30%、25%の子供に後遺症が残るという現実があるようです。インフルエンザ脳症を100%防ぐ手立てはありませんが、インフルエンザをただの風邪と誤認せず「早めに病院に連れて行くこと」が、その一助となるでしょう。

(参考*「インフルエンザとは」国立感染症研究所

http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html)
赤ちゃんのインフルエンザのケア・治療方法

病院での治療
インフルエンザに対しては「抗インフルエンザ薬」が有効です。有名なタミフルのみならず、リレンザ、ラピアクタ、イナビルなど現在は複数の種類が存在します。発症から2日以内(48時間以内)の服用で、発熱期間の短縮などが期待できますので、なるべく早く病院に連れて行くことが重要です。
救急病院へ行くべきケースは?
インフルエンザの疑いがある場合、どのタイミングで病院に連れて行ったらよいか迷うパパ・ママも多いようです。「深夜に高熱が出たけれど、朝病院に連れて行くので大丈夫だろうか?」「インフルエンザみたいだけれど、小児救急を訪れるレベルなのか」といった事は、確かに分かりづらいでしょう。そこで以下に、救急病院の利用を考えるべきケースをまとめました。

■月齢の低い赤ちゃんの場合

生後3ヶ月未満の赤ちゃんに急な発熱(38度以上)が現れ、なおかつその時期・地域でインフルエンザが流行している場合は、小児救急の受診を検討すべきです。もちろんインフルエンザの疑いもありますが、それ以外の重大な病気の可能性も考えられます。

■ぐったりしている/水分摂取ができない場合

発熱のほかに、消耗や衰弱が激しい場合。あるいは、繰り返しの嘔吐などで水分摂取がほとんどできていない場合は、より深刻な病状になる可能性があるため、救急病院の利用を検討してください。

■その他の異常が確認できる場合

発熱に伴い、痙攣、意識混濁、通常とは異なる呼吸など、普段とは違うおかしな様子が見られた場合は、インフルエンザ脳症を始めとする何らかの合併症がすでに出ている可能性も考えられます。危険な状態である可能性があるため、救急病院の受診を検討すべきです。

救急病院の受診の仕方としてはまず、小児科救急が設けられた病院に電話をかけ「今から行って対応してくれるか」の確認を取ってから車などで移動するようにしてください。このほか「小児救急でんわ相談」(*)に連絡して、指示を仰ぐ方法もあります。小児救急でんわ相談は厚生労働省の事業の1つで「子供の怪我や病気に対してどのようにすべきか」「どのような病院で診てもらうべきか」などが相談できます。全国共通ダイヤル「#8000」を押せば、医師や看護婦につながりますので、小さいお子さんを持つパパママにとっては大変心強いサービスと言えるでしょう。

(*「小児救急電話相談事業(#8000)について」厚生労働省

http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html)
お家でのケア方法
インフルエンザの完治には、自宅静養がとても重要になります。発症から1週間程度かかることも想定されますので、赤ちゃんが快適に過ごせるようにしてあげましょう。最も大切なのが「水分補給」で、赤ちゃん用の経口補水液や白湯を少しずつ飲ませましょう。なお、赤ちゃんの体は発熱にウィルスと戦っているため大変汗をかきます。水分補給とともに、こまめにお着替えさせることも重要です。お風呂に入って汗を流してやりたいと思うかもしれませんが控えましょう。また、元気になってきたら、ミルクや母乳、あるいは消化の良い離乳食を与えますが、食べたくなさそうならば無理に食べさせなくて大丈夫です。

お部屋の環境については、湿度55%前後に保つようにし、換気をこまめにおこなってください。また、熱で苦しむ赤ちゃんの様子に、思わず解熱剤を使いたくなるかもしれません。ただし、インフルエンザの時に使用してはいけない種類の薬があるため、解熱剤は必ず医師から処方されたもののみ使用するようにして下さい。
赤ちゃんのインフルエンザの予防

予防接種の効果は?
「赤ちゃんへのインフルエンザの予防接種はあまりすすめない」という専門家もいるようです。その理由として、感染防止効果が低いことをあげている場合がありますが、実際のところはどうなのでしょうか?厚生労働省のホームページによれば、乳幼児へのインフルエンザワクチン接種で期待できる発病防止の効果は「20~50%」であるようです。

(参考*「インフルエンザQ&A」厚生労働省

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html)
予防接種は受けた方がいいの?
インフルエンザワクチンは、赤ちゃんはインフルエンザ感染から確実に守ってくれるものでは無いようです。そのような予防接種を、あえて受けるべきなのでしょうか。結論から申しますと「受けるメリットはある」と言えるでしょう。まず、100%でないとは言え、インフルエンザの発症・重症化の予防に一定の効果が期待できる事は明らかです。予防接種は、生後半年から受けられますので、医師からよく説明を聞いた上で判断してください。
ご家族にできること
赤ちゃんをインフルエンザ感染から守る最も有効な方法は「インフルエンザの流行期の外出は極力控える」と言うものです。かわいい我が子をいろいろな場所に連れて行き、楽しい体験をさせてやりたいと言う親心わかります。しかし、人の集まる場所はそれだけウィルス感染のリスクも高いことも確かです。

ただし、パパやママのお仕事、上の子供の幼稚園や学校などが感染ルートとなり、インフルエンザウイルスがご家庭に持ち込まれる危険性は常にあります。そのため、次に大切な事は「手洗い・うがいを徹底すること」です。

なお、冬場など乾燥が気になる季節は「部屋の湿度調整」にも心を配りましょう。インフルエンザは空気の乾燥した環境で感染しやすくなるとも考えられているため、赤ちゃんが過ごす部屋は乾燥しないようにキープすることが望ましいです。具体的には、部屋の湿度を55%前後に保つと良いでしょう。
まとめ

インフルエンザは定期的に流行します。全国的な流行を見せることも珍しくなく、その場合には小さな赤ちゃんがいるご家庭でも、家族の誰かが感染してしまうかもしれません。これはもちろん、赤ちゃんがインフルエンザ感染する危険性を高めます。そうなる前に、赤ちゃんを含む家族全員で、インフルエンザの予防接種を受けることを検討すると良いでしょう。例年のインフルエンザ流行のピークは、年末から翌年3月くらいまでです。この時期は特に気をつけてあげましょう。

関連リンク
【医師監修】ピルで生理痛が和らぐって本当? 効能と副作用、注意点 | マイナビウーマン
【医師監修】時期別でみる「葉酸の必要量」 、主な働きと摂取方法 | マイナビウーマン
「葉酸を多く含む食品」の上手な調理法&3つのレシピ | マイナビウーマン
元のサイトを見る

関連する記事

この記事のキーワード

RANKING
YESTERDAY

WHAT'S CHIENOWA?

staff_pickup