スイミー、フレデリック、コーネリアス。レオ・レオニ作絵本の主人公に学ぶ

スイミー、フレデリック、コーネリアス。レオ・レオニ作絵本の主人公に学ぶ

2017年9月26日公開

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「自主性のある子に育てたい」「アートに親しんでほしい」「本が好きな子になったらな」……子育てに正解はありませんが、「こんな子に育ってほしい」という親の願いはさまざまですよね。

しかし、子どもに自我が芽生えると、親の言うことをなかなか素直には聞いてくれないもの。そんなときは絵本に願いを託して、思いを伝えてみてはいかがでしょうか。

今回は、アメリカ図書館協会が優れた絵本に贈る歴史ある賞『コールデコット賞』に3度にわたって輝き、日本では小学校の教科書に掲載されていることでも知られる絵本作家、レオ・レオニの作品のなかから、主人公の姿に学ぶことができる5作品を選びました。いずれも、詩人の谷川俊太郎が翻訳を手がけています。
「自分だけの色」よりも大切な、「わかり合える友だち」の存在

『じぶんだけのいろ』

1,153
著者:レオ・レオニ(作) 谷川 俊太郎(訳)
出版社:好学社
文:野上 萌(クレディセゾン 営業企画部)
2歳の男の子のママ
主人公は、「自分だけの色」を持てないことに悩むカメレオン。黄色や青に変身するカメレオンのカラフルな絵に、息子は「すごい!」と大興奮! 「これはなに色?」と問いかけながら読んでいると、同じ色のクレヨンを持ってきて、「一緒!」と喜んでいました。

自分だけの色を持つ、ほかの動物たちがうらやましくなったカメレオンは試行錯誤しますが、なかなかうまくいきません。しかし、自分と同じカメレオンと出会ったことで、自分だけの色なんてなくても、ちっともさみしくないことに気づきます。2人なら、いろんな色に変身するのも楽しいのです。

息子はまだまだ上手に話すことができず、友だちとおもちゃをとり合ったり、けんかをしたりしています。言葉で言ってもなかなか通じませんが、絵本を通じて友だちの大切さを伝えることができるので、毎日読んであげたい一冊です。
スイミーみたいなリーダーになることは、大人になったいまでも目標です

『スイミー』

1,572
著者:レオ・レオニ(作) 谷川 俊太郎(訳)
出版社:好学社
文:二瓶 瑠菜(クレディセゾン 神奈川支社)
入社11年目、法人営業を担当。好きなものはお酒と絵本
小学校の国語の授業で、この作品に触れた方も多いのではないでしょうか? 私は幼いころから何冊もの絵本を読んできましたが、小学1年生の春に出会ったこの『スイミー』は、そのなかでもトップ5に入るとても印象深い作品です。「色彩の魔術師」といわれるレオ・レオニの、不思議でやさしい挿絵に魅了されます。

私が入社した2007年ごろ、職場では「誰よりも率先すること」がリーダーのあるべき姿だと言われていましたが、個を尊重する社会へと変化したいまは、「いろいろな個性や価値観を生かすこと」がリーダーに求められる最大のミッションだと感じます。そのリーダー像は、みんなで集まって巨大な魚のように泳ぎ、「黒」という個性を持つ自分が目を演じることでピンチを乗り越えた、作中のスイミーの行動そのものではないでしょうか?

大人の世界でも、子どもの世界でも存在する「チーム(輪)」の大切さ、そして、どんなときでも忘れてはならない「自分らしさ」。悲しいこと、つらいこともあるけれど、そんなときこそ、自分や周りを信じて、勇気を持って進んでみよう。将来、この作品とともに、自分の子どもの背中を押してあげたいと思います。
フロンティアスピリットを忘れず、挑戦し続ける人になってほしい

『コーネリアス』

1,572
著者:レオ・レオニ(作) 谷川 俊太郎(訳)
出版社:好学社
文:須田 志津香(クレディセゾン 営業企画部商品サービス開発グループ)
4歳の男の子のママ
卵から立って生まれてきた、ワニのコーネリアスが主人公です。本来4足歩行であるワニが、2本足で立って歩く、という意外性。冒頭からかなり惹きつけられました。

「ぼく、立って歩けるよ! 遠くのものが見えるよ!」と得意気に言うコーネリアスでしたが、ほかのワニたちは「だからどうしたっていうのさ?」と、まったく向上心がありません。怒って群れを出たコーネリアスは、猿に出会い、その猿に逆立ちや、しっぽでのぶら下がりを教わります。

教えてもらう喜びを知ったコーネリアスは群れに戻り、仲間たちに自らが学んだことを教えますが、ワニたちはまたも無反応。ガッカリして、猿のいた場所に戻ろうとしたコーネリアスですが、振り返ると仲間たちが逆立ちやぶら下がりを練習していて……。

4歳のわが子にはよく意味がわからなかったかもしれませんが、ユニークな絵や文章のテンポがおもしろいのか、読み終わったらすぐに「もう1回!」と言っていました。考えさせられる内容なので、読む年齢によって感じ方が違うのだろうと思います。長い間、読み続けたい作品です。
共有する喜び。友だちや兄弟と「一緒に楽しむ」気持ちを育める絵本

『ぼくのだ!わたしのよ!』

1,572
著者:レオ・レオニ(作) 谷川 俊太郎(訳)
出版社:好学社
文:五十嵐 直子(クレディセゾン 育休中)
1歳の女の子のママ
リディア、ルパート、ミルトンの3匹のかえるは、「ぼくのみずだ!」「わたしのくうきよ!」と、いつもけんかしてばかり。昼も夜も言い合いをする3匹のもとに、大きなひきがえるがやってきて注意をしますが、3匹はすぐにまた小競り合いを始めます。

そんなときに、突然やってきた嵐。まわりが水に沈むなか、たったひとつだけ残った岩に3匹は集まりました。やがて雨が止むと、みんなを救った大きな岩は、先ほどのひきがえるであったことがわかります。嵐とひきがえるのおかげで、3匹は「仲間と共有する喜び」を知るのです。

子どもたちがよくやっている、おもちゃや、おやつのとり合い。自己主張が出てきて成長を感じる反面、「みんなのもの」であることを教えなければいけません。「みんなで遊ばなきゃダメだよ」「半分ずつにしなさい」と簡単に言ってしまいがちですが、そんなときに読んであげると、なぜ共有したほうがいいのかを自然と理解してもらえるのではないかと思いました。兄弟姉妹がいる子どもにも読んであげたい絵本です。
ドキドキしながら読み進めたら、ほっこりするラストが待っていました

『フレデリック』

1,572
著者:レオ・レオニ(作) 谷川 俊太郎(訳)
出版社:好学社
文:中村 玲子(クレディセゾン デジタルマーケティング部)
4歳の女の子のママ
水彩画と切り絵が交じり合う優しいタッチのイラストと、独特なストーリーが魅力であるレオ・レオニの世界が堪能できる一冊です。ページを開いてまず、かわいらしいネズミのフレデリックの挿絵に親子で惹かれました。子どもも「ネズミちゃん、ネズミちゃん」と喜んで読んでいました。

ねずみたちが冬に向けて一生懸命準備をするなか、「ぼくは おひさまの ひかりを あつめてるんだ」とまったく働かないフレデリック。イソップ寓話の『アリとキリギリス』を思わせるストーリーに、子どもに読み聞かせながら「フレデリックはほかのねずみたちから怒られてしまうのかな?」とドキドキしましたが、読み進めていくと、予想を超えた展開に衝撃を受けました。凍えたみんなを温めるために、フレデリックが使ったのは言葉。

どんな人にも役割があって、自分の得意なことを生かして輝けばいいんだ、という深いメッセージがあり、読み終わったときには、ほっこりうれしい気持ちになります。「芸術家の役割ってこうだよ」と、フレデリックに語りかけられるようです。

子どもだけでなく、仕事に追われている大人にもおすすめしたい、素敵な本です。
絵本の主人公たちが教えてくれるリーダーシップや友情、共有する心、チャレンジ精神、役割分担。それは、子どもたちだけへのメッセージではなく、私たち大人へのメッセージでもあるのかもしれません。また、物語のあとで主人公がどう暮らしていくのかを、子どもと一緒に話し合ってみてはいかがでしょうか。子ども自身が思い描く未来や、将来の夢も合わせて聞くことで、発想力、考える力を養うことにつながるはずです。

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